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カリフォルニアアシカと来館者たち
(平行法で立体視ができます)

対象や空間の遠近をしっかり同時にみるようにすると情報のインプット能力が高まります。

ステレオ写真をつかって立体視をすると画像の奥行きがはっきりとみえます。このときに近い所と遠い所の両方を同時にしっかりみるようにします。ステレオ写真による立体視以外でも、たとえば旅行にでかけたときなどに対象と空間の遠近をしっかりみるようにすると情報をうけとる能力(インプット能力)が次第に高まってきます。

写真はいずれも平行法で立体視ができます。大阪市にある海遊館(注1)の「モンタレー湾」展示で撮影しました。

立体視のやり方 - ステレオグラムとステレオ写真 - >>

モンタレー湾があるカリフォルニア沿岸の岸壁は、多くの海棲哺乳動物のすみかとなっています。ここでは、海辺の岩場に生きるアザラシとアシカの陸上・水中での生活を観察することができます。


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地図 モンタレー湾の位置(アメリカ、カリフォルニア州)



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ゴマフアザラシ(アザラシ科)
体の表面に黒色の点がゴマのようにならんでいることからゴマフアザラシとよばれています。全長は1.3〜2m、北半球に分布します。モンタレー湾周辺に生息するゼニガタアザラシにちかい種です。魚類や無脊椎動物などを中心にたべています。



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ゴマフアザラシ



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カリフォルニアアシカ(アシカ科)
北アメリカに西岸に分布します。成長するとオスは体長2.4m、体重は300kg以上になり、額がこぶ場に隆起します。メスは体長2m、体重100kgほどです。イカやタコ・魚などをたべています。オスは非常に大きな声で鳴くのが特徴です。



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カリフォルニアアシカ



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カリフォルニアアシカ



けわしく切りたったカリフォルニアの海岸線は、アシカやアザラシ・海鳥などの海の生きものでにぎわっています。アシカの鳴き声はモンタレー湾の外にまでなりひびきます。18世紀後半に、ここにうつりすんだスペイン人たちはその声をきいて、アシカのことを「海のオオカミ」とよんだそうです。

アザラシとアシカは似ているけれど違います。

まず耳です。アザラシには突起がなく、ただ穴が開いているだけです。アシカには小さな外耳があり、よくみるとほんのすこし突起しているのがわかります。

つぎはおよぎ方です。アザラシは、後足を魚のように横にふりながらおよぎますが、アシカは、鳥が羽ばたくように前足をつかっておよぎます。

最後は歩き方です。アザラシは前足が短くて体をささえることができないため、イモムシがはうような動作で、前足をつかって地面をすこしずつけるようにして移動します。アシカは前足で体をささえ、後足を前後にうごかしてあるくことができます。

似ているものの違いに注目することは観察力をつよめることにつながります。


▼ 注1
世界最大級の水族館 海遊館

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