南海トラフ巨大地震の発生が予想されています。地震保険への加入、家の耐震補強工事、家具の転倒防止、ローリングストックなどの対策と備えが必要です。

日本列島はふたたび地殻の活動期にはいったとかんがえられます。大地震や大噴火にそなえることが何よりも大事です。

大地震の被害に金銭的にそなえるためには地震保険に加入しておくのがよいです。地震保険は火災保険とセットで入らなければなりません。

また1981年よりも前に建てられた建物では耐震補強工事が必須です。1981年に、建築基準法が改正されて耐震基準がきびしくなりました。耐震補強工事が必要かどうかの基準になるのが1981年という年です。家の耐震補強工事には公的助成が活用できます。1981年よりも前に建てた木造住宅では絶対に必要なことです。

家の中ですぐにできることは家具の転倒防止です。そのための突っ張り棒(伸縮棒)は壁際に(家具の奥側に)とりつけるようにします。あわせて三角形の家具転倒防止板を家具の下の前側にかませておきます。

飲食物の備えもいります。大地震後1週間もちこたえるために野菜飲料をローリングストック(回転備蓄)しておきます。




海沿いの地域で、大きな揺れを感じたり、大津波警報が発令されたら、「津波てんでんこ」の方法でただちに避難しなければなりません。とにかく逃げることです。

大地震がおこったあとに生じる通電火災を防止するために、避難をするまえに、ブレーカーをかならずオフにします。

大地震などの災害時に携帯電話がつながらない場合は、まずメールで、そして災害伝言ダイヤル・災害伝言板を利用します。あるいは「三角連絡法」を活用します。避難場所についたら、エコノミークラス症候群を発症しないように十分に注意してください。

大地震に関連して火山噴火にも注意しなければなりません。有史以来はじめて噴火する火山もあります。「死火山」「休火山」という分類は現在ではなくなりました。火山はいつ噴火するかわかりません。十分に警戒してください。


1981年よりも前に建てられた建物に注意する - 南海トラフ巨大地震(3)-
公的助成をえて家の耐震補強工事をする - 南海トラフ巨大地震(4)-
家具の転倒防止:突っ張り棒は壁際に - 南海トラフ巨大地震(5)-
野菜飲料をローリングストックしておく - 南海トラフ巨大地震(6)-
津波対策:揺れたら逃げろ! - 南海トラフ巨大地震(7)-
災害時、家族との連絡のとりかた - 南海トラフ巨大地震(8)-
避難する前にブレーカーをオフにする - 南海トラフ巨大地震(9)-
火山に登るときには十分に注意する - 南海トラフ巨大地震(10)-
エコノミークラス症候群を発症しないように - 南海トラフ巨大地震(11)-


池上彰著『南海トラフ巨大地震から命を守れ! 池上彰とメ~テレが真剣に考える』は大地震対策について大変わかりやすく解説しています。学者が書いた理論書ではなく、ジャーナリストが書いた実用書であるのがいいです。現在、南海トラフ巨大地震の発生が想定されていますが、ほかの地域でも大地震はいつおこるかわかりません。地震予知(地震発生の日時と場所をあらかじめ知ること)は決してできません。東南海地方以外の地域でも本書を参考にして対策を講じておくのがよいでしょう。

▼ 引用文献
池上彰著『南海トラフ巨大地震から命を守れ! 池上彰とメ~テレが真剣に考える』KADOKAWA、2015年7月10日