大地震がおこったあとに生じる通電火災を防止するために、避難をするまえに、ブレーカーをかならずオフにします。
大地震が発生したとき、そのあとにおこる火災は被害を大きく拡大してしまいます。
地震直後ではなく、地震発生からかなり時間がたってから発生する火災に「通電火災」があります。通電火災とは、大地震によりいったん停電し、そのごライフラインの復旧作業がすすんで停電が解消(通電)したときに電気製品がふたたびオンになり、それにともなって火災が発生することです。
たとえば電気ストーブはたおれていなければ通電とともにオンになり、そのうえにおちてきていた燃えやすいものに引火します。あるいは電気製品のケーブルが断線してしまったりするとその部分がショートして出火することもあります。
通電火災を防止するためには、避難をするまえに、ブレーカーをかならずオフにします。このことをわすれてはいけません。
そして避難先からもどったときは、電気製品やケーブルなどがこわれていないことを確認してからスイッチをいれるようにします。
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阪神・淡路大震災のときにはこの通電火災により被害が拡大しました。地震から8日後に火がでたケースもありました。通電火災はわすれたころにやってくる火災です。通電火災で出火すると、初期消火をする人が避難していていないため大規模な火災につながってしまいます。ここに通電火災のおそろしさがあります。
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通電火災以外にも火災をださない対策が必要です。
たとえば、暖房器具のまわりに燃えやすいものをおかないようにします。暖房器具のうえで洗濯物を干さないようにします。ガスレンジのまわりには燃えやすいものをおかないようにします。火のまわりにおいてある家具は絶対にたおれないように固定しておきます。
「南海トラフ巨大地震の被害想定」(内閣府、2012年8月)では、冬場の夕食の時間帯に地震がおきた場合、東海3県の建物被害の6万4000棟が火災による被害になると想定しています。
▼ 引用文献
池上彰著『南海トラフ巨大地震から命を守れ! 池上彰とメ~テレが真剣に考える』KADOKAWA、2015年7月10日
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▼ まとめ記事
南海トラフ巨大地震から命をまもれ(まとめ)