対象を観察し記録をとるときには、定性的な記録(データ)をまずとり、それに定量的なデータをかさねていくようにします。

定性的なデータとは、「彼女は金持ちの家に生まれた」「少女時代から読書が好きだった」「この山は玄武岩からできている」といった類のデータのことです。言葉で記録されるデータは定性的といえます。

一方、定量的なデータとは、何キログラムとか何万円というふうに数量化されたデータのことです。

データにはこのように2種類があることをまず認識しなければなりません。 

問題解決をすすめるためには、まず、定性的データをあつめて、その上に定量的データをかさねていくという順序がよいです。この方が主題をめぐる全体像がとらえやすくなります。

定量的にしめせば何でも科学的だとか厳密だとかいう誤解があり、定性的な把握をしないで、すぐに計測したり数値化にいそいだりするケースがありますが、それはよくありません。


▼ 引用文献
川喜田二郎著『KJ法 渾沌をして語らしめる』中央公論社、1986年
川喜田二郎著作集 (第5巻) KJ法―渾沌をして語らしめる

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