160528 4注記
図1 記録をとるときには、その時その場の状況や背景も明記する

記録をとるときには、その時その場の状況や背景も明記すると情報が生きてきます。そのためのもっとも簡単な方法が4注記です。

観察した結果をデータとして記録するときに重要なことは、どんな状況や背景の中で観察し情報を採集したかということです。
 

すべてのデータは、(1)いつ、(2)どこで、(3)どんな出所から、(4)誰がデータの記録として作製したのか、という四点を、最低限明示できるようになっていなければならない。この中の一項目が欠けていても、それは科学的に信頼してよいデータとして扱うには不適格なのである。


つまり、(1)時、(2)所、(3)情報源、(4)記録者、を明記せよということです。この簡単は方法は、観察時の状況や背景をもっともまざまざとうかびあがらせるうえで実に有効です。個人でも有用ですがチームワークをするときには特に役立ちます。




このようなことを実践していると、何かの対象を見るときに、その対象だけを見るのではなくて、その対象の背景もあわせてみる習慣が身についてきます。これは重要なことです。対象は、対象だけで単独で存在することはありえず、ある状況のもとで、特定の空間の中で、特別な背景をもって存在しています。 これは主体と環境との関係を連想させます。

旅先で何かを見るときも、博物館で展示物を見るときも、動物園で動物を見るときも、このようなことに注意すると見え方がちがってくるとおもいます。


▼ 引用文献
川喜田二郎著『KJ法 渾沌をして語らしめる』中央公論社、1986年
川喜田二郎著作集 (第5巻) KJ法―渾沌をして語らしめる

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