160526 観察
図1 観察して記録する
 
問題解決における情報収集や現地調査では、自分の目からの情報のインプット(観察)がとくに重要です。

人間は、情報の大部分を目からとりいれています。目は、人間の感覚器官のなかでもっとも重要な役割をはたしているといってもよいでしょう。

目から情報をとりいれることは見るとか観察すると伝統的にはいいます。「百聞は一見に如かず」というように、他人の話を聞いているよりも、自分の目で現地や現物を実際に見た方がよくわかります。話を聞くということは、耳ををつかって言葉を聞くということであり、これは聴覚系の情報処理であって、目をつかう視覚系の情報処理とは情報処理の仕組みがそもそもちがいます。

したがって他人の言葉を鵜呑みにすることはよくなく、現地や現場に足をはこんでみずから観察することの方が重要です。

見ること観察することは、人がおこなう情報処理の観点からいうとインプットにあたります。インプットされた情報は、プロセンシングをへて一般的には言葉でアウトプットされます。このアウトプットしたものが記録とかデータとよばれるものです。

記録とかデータとかは、ある人のプロセシングによって視覚情報が言語情報に変換されたものであり、事実そのものではありません。事実そのものはあくまでも現地や現場にあります。この点に注意しなければなりません。このような意味でも現地や現場に実際に行って見ることは重要なわけです。

問題解決における情報収集や現地調査では、このような目によるインプット(観察)をして現地や現物をしっかりとらえ、直接情報をできるだけ収集することがのぞましいです。


▼ 参考文献
川喜田二郎著『KJ法 渾沌をして語らしめる』中央公論社、1986年
川喜田二郎著作集 (第5巻) KJ法―渾沌をして語らしめる

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