気象災害ほど身近な災害はありません。台風と集中豪雨には特に警戒しなければなりません。また竜巻や落雷などについても注意しなければなりません。

川手新一・平田大二著『自然災害からいのちを守る科学』(岩波書店)では気象災害についても解説をしています。気象災害にはどのようなものがあるか、あらためてとらえなおして対策を講ずることが大切です。

■ 台風災害
台風による災害には強風によるもの、大量の降雨によるもの、高潮によるものがあり、それぞれ次のような災害をもたらします。

強風
  • 建物の損壊
  • 送電線・通信線の切断
  • 自動車や鉄道車両の転覆
  • 海難事故
  • 果樹の落下
大量の降雨
  • 水害(河川の氾濫や洪水など)
  • 土砂災害(崖崩れ、山崩れ、土石流など)
高潮
  • 広域的な浸水
 

■ 集中豪雨
集中豪雨も大変おそろしい災害をひきおこします。集中豪雨をもたらすのは、大気の鉛直方向の不安定によって発生する積乱雲の群れです。
  • 水害(河川の氾濫や洪水など)
  • 土砂災害(崖崩れ、山崩れ、土石流など)
  • 台風と同様に脅威です

 
■ 雪害
降雪や積雪・吹雪などにより次のような災害がおきます。降雪地域では、過疎化・高齢化によっても被害が増加しています。
  • 道路や鉄道などの交通網の寸断
  • 送電線の断線
  • 家屋の倒壊
  • 雪崩

■ 冷害と旱ばつ
ながい時間をかけておきる災害に冷害と干ばつがあります。

 
■ 竜巻とダウンバースト
竜巻がおこると、はげしく旋回する風と急速な気圧低下によって建物や自動車などがもちあげられ破壊されます。竜巻は、季節をとわず低気圧・前線の通過時および台風接近時に多くおこります。夏は内陸、冬は海岸地域で多く発生しています。
 
竜巻とは逆に、発達した積乱雲からふきおろす下降気流が地表に衝突して水平にふきだすはげしい空気の流れがダウンバーストです。飛行機の離着陸時にとくに被害を出すことがあり警戒されています。
 
 
■ 落雷
積乱雲が発達すると雷が発生することがあります。雷は、高いところや尖塔や木などにおちやすいですが、平地や低いところにもおちることがあります。屋外ではどこにいても雷にうたれる可能性があります。
 
 
■ 雹害
雹とは、直径5cm以上の氷の粒のことです。ときには直径10cmをこえる大きなものもあります。雹がおちてくると農作物に多きな被害をだします。大きな雹がふると家屋が倒壊したり負傷者がでることもあります。
 
 
■ ブロッキング現象
中緯度から高緯度地方の上空ではジェット気流が南北に大きく蛇行して、下層の地表付近で大規模な高気圧を長期間停滞させることがあります。これをブロッキング現象といいます。気圧配置が通常とはことなった状態がつづくため、長雨や高温、大雪や寒波などといったいわゆる異常気象がおきやすくなります。




気象災害ついては、ニュースや天気予報などでよく報道され、注意報もよく発表されるのでほかの災害にくらべてわかりやすいとおもいます。台風と集中豪雨が危険なことはいうまでもありません。最近注目されているのは竜巻です。日本でも竜巻はよくおこっています。

気象庁の下記サイト(ビデオ)も是非ご覧ください。
気象庁・防災啓発ビデオ「急な大雨・雷・竜巻から身を守ろう!」 >>


 
▼ 引用文献
川手新一・平田大二著『自然災害からいのちを守る科学』(岩波ジュニア新書)岩波書店、2013年5月21日
自然災害からいのちを守る科学 (岩波ジュニア新書)  


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