高度情報化社会をむかえ、速読法や記憶法を情報処理の観点からとらえなおすことが重要になってきました。
速読法と記憶法とは相互補完の関係にあり、両者をくみあわせて実践することにより相乗的な効果をあげることができます。
具体的には、速読で概略をつかみ、ここぞというところをしっかり記憶するのです。
速読法では本を読むのに極力時間をかけません。その第1の目的はその本の概略をつかむことであり、大局を見ることであり、要点を瞬時につかむことです。
概略をつかむことには時間をかけないことがポイントであり、そもそも大局を「見る」ことには時間はかからないのです。
しかし、重要な事柄はしっかり記憶しておかなければ知識をつかいこなすことはできません。そこで今度は、多少時間がかかっても、「ここぞ」という重要な箇所(部分)はしっかり記憶するのです。
ここでは、「ここぞ」の選択が重要になってきます。課題によって人によって、おなじ本を読んでも「ここぞ」はちがってきます。
「ここぞ」という重要箇所を選択するためにも大局を見る必要があるのです。大局が見えれば選択しやすくなりますが、大局を見ないで選択すると、あとで迷路にはまります。
たとえば、1冊を速読し(大局を見て)、ここぞというページを何ページか選択して、そこに関しては記憶法をつかってしっかり記憶します。写真や図表があれば記憶しやすいでしょう。
あるいは、課題をきめて、その課題に関する本を10冊ぐらい一気に速読します。そして、これという重要な本や気に入った本を2〜3冊選択し、それに関してはしっかり記憶するという方法がよいでしょう。