情報処理を適切にすすめ、よくできたアウトプットをだすために、記憶情報をアップデートする習慣を身につけるとよいです。


わたしたち人間は、感覚器官をつかって外界の情報を心の内面に日々インプットしています。インプットした情報の中で重要なものは記憶されます。

プロセシングとアウトプットのためには、あらたにインプットした情報だけでなく、過去に記憶した情報もおもいだしてつかうのが普通です。

過去にインプットした情報を想起してつかうときに注意しなければならないことは、その情報(データ)がふるくなっていないかどうかということです。たとえば10年前にインプットした情報がふるくて今ではつかえなくなっているということはよくあります。あるいはその分野の研究が進展して、従来の知識が変更されているということもよくあります。

たとえば最新の日本史研究によると、鎌倉幕府の成立は1192年ではなくて1185年だそうです(注)。

ふるくてつかえないデータをつかってプロセシングをすすめてアウトプットをしても結果はまちがったものになることはあきらかです。あるいはほかの人との議論がかみあわなかったりします。若い人とご年配の方とが話がかみあわないのは、かんがえ方のちがいよりも、つかっている情報(データ)がそもそもちがうことによる場合が多いのです。

人間は、年をかさねるにつれて経験と知識でものをかたるようになってきます。これは、過去にインプットした情報(記憶)のみをつかっている状態であり、あらたなインプットをしなくなった姿をあらわしています(下図)。

160219 経験・知識
図 あらたなインプットをせず、記憶からのみアウトプットする



そこでどうすればよいか。

過去にインプットした情報(データ)を定期的に "アップデート" すればよいのです。何かのアウトプットをするときには、その前に、記憶情報をアップデートするようにします。

そのためにはたとえば月刊誌がつかえます。興味のある分野の月刊誌には定期的に毎月 目をとおすようにするとよいでしょう(下図)。

160220 アップデート
図 月刊誌をみて記憶情報をアップデートする


アップデートをしないと、ふるい "バージョン" の人間になってしまいます。いわゆる「昔の人」です。記憶情報をアップデートする習慣をもつことは重要なことだとおもいます。


▼ 注
『いざ、鎌倉 鎌倉時代』(角川まんが学習シリーズ『日本の歴史』5)KADOKAWA、2015年6月30日
角川まんが学習シリーズ 日本の歴史 (5) いざ、鎌倉 鎌倉時代

▼ 関連記事
想起して書き出す - 記憶法とアウトプット -