角川まんが学習シリーズ『日本の歴史』全15巻を一気に見れば日本史の大きな流れをつかむことができます。


角川まんが学習シリーズ『日本の歴史』は KADOKAWA が創業70周年を記念して刊行したあたらしい学習漫画です(注)。歴史の大きな流れをつかむことを主眼にして編纂されてるのが最大の特色です。ベストセラーになり、累計発行部数で120万部をこえる売れゆきとなっているそうです。


第01巻 日本のはじまり ●旧石器~縄文・弥生~古墳時代
第02巻 飛鳥朝廷と仏教 ●飛鳥~奈良時代
第03巻 雅なる平安貴族 ●平安時代前期
第04巻 武士の目覚め ●平安時代後期
第05巻 いざ、鎌倉 ●鎌倉時代
第06巻 二つの朝廷 ●南北朝~室町時代前期
第07巻 戦国大名の登場 ●室町時代中期~戦国時代
第08巻 天下統一の戦い ●安土桃山時代
第09巻 江戸幕府、始動 ●江戸時代前期
第10巻 花咲く町人文化 ●江戸時代中期
第11巻 黒船と開国 ●江戸時代後期
第12巻 明治維新と新政府 ●明治時代前期
第13巻 近代国家への道 ●明治時代後期
第14巻 大正デモクラシー ●大正時代~昭和時代初期
第15巻 戦争、そして現代へ ●昭和時代~平成


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本書は小説ではなく、あくまでも学習漫画ですので受験勉強や社会人の復習用としてつかえます。ほかの類書とはちがい最新の研究成果が反映されているのもよいです。たとえば鎌倉時代の成立は現在では1192年ではありません。




歴史は、最初の段階では学習漫画でまなぶのがよいです。漫画(イメージ)をつかって日本史の大きな流れをとらえてから、その後で教科書(テキスト)を読むと理解がしやすいでしょう。

大きな流れをつかむためには細部にはとらわれないで、本書の全巻をなるべく短時間で最後まで一気に見てしまった方がよいです。本書では、権力欲や出世欲・名誉欲などがからんだ人間くさいストーリーが順をおってすすんでいくので、全体の流れが、理屈ではなくスッキリと意識の中に入っていきます。

日本という国は、世界的にもめずらしく、外国に侵略されて植民地になったことがなく、また歴史の厳密な断絶がなく現代にいたっています。「飛鳥時代→奈良時代→平安時代→鎌倉時代→室町時代→江戸時代→近現代」という時代の転換はいわば "政権交代" の歴史であったのだと感じられます。このような一本の流れが、今日の日本人の特質やかんがえ方や行動様式に通じていることがよくわかります。




このように歴史全体の流れを大づかみにできたら、つぎに第2段階目として教科書(テキスト)を今度は読んでみます。イメージ(漫画)で大局をつかんだら、今度は言語で詳細を確認するという方法です。

教科書の記述はしばしば理屈っぽくて無味乾燥に感じられることがありますが、全体のストーリーがわかっているのでそれぞれの出来事の位置づけや意味がわかるでしょう。要所要所の年号も「語呂あわせ」をつかっておぼえればよいです。イメージ(漫画)でとらえたストーリーがより鮮明になってくるとおもいます。筆記試験でも点がとれるにちがいありません。

テキストを読むときには、ふるい方から順番にたどっていく必要はありません。ふるい方からの順番は第1段階目で漫画をつかってすでに認識できているのですから。第2段階目でテキストで詳細をしらべるときには、自分のもっとも興味のある時代からしらべていけばよいのです。とりあえず自分が好きだと感じるところをふかく勉強してみるのがよいでしょう。

歴史学習のおもしろさは、自分の興味がある時代を掘りさげて理解するところにもあります。そのような「掘り下げポイント」を自分自身で見つけるとあらたな展開がおこります。掘りさげポイントを掘りさげていくと疑問がさらに増えてきて、ますます勉強したくなってきます。歴史学習の醍醐味です。

そして機会をみて歴史の "現場" に実際に行ってみるのです。そのような史跡にはおもしろい情報がたくさんころがっているはずです。戦国時代の古戦場跡などはおもしろいかもしれません。




このように第2段階でテキストを見たりして詳細がわかってくると、歴史のイメージは相当に大きくふくらんでくるとおもいます。漫画にはえがかれていなかった部分も自分なりに想像できる(イメージできる)ようになるでしょう。こうして第3段階目では歴史は想像であるということになってきます(下図)。


160209 漫画
図1 歴史理解の3段階モデル(1)


つまり次のとおりです。
  1. イメージをつかって大きな流れをつかむ
  2. テキストつかって詳細をしらべる
  3. 考察する

160209 流れ

図2 歴史理解の3段階モデル(2)

 
この3段階の方式の根底には〈大局観→小局観→本質追究〉という流れがあります。

このような方法は世界史を知るときにもつかえるでしょう。さらに地球の歴史を知るためにもつかえます。歴史とはたのしいものです。