生命の誕生と進化についてまなぶと、歴史的・時間的に生命をとらえなおすことができます。


『 生命の誕生と進化の38億年』(ニュートンプレス)(注1)は、生命の誕生と進化の歴史をイラストをつかって解説しています。


目 次
1 生命の誕生
2 生命のビッグバン
3 生命の進化と大陸の移動
4 生命の進化はなぜおきる?
5 イラストで見る進化の情景


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生命は、約40億年前から38億年前に誕生したとかんがえられています。最初の生命が誕生した場所は海の中であるとされ、海の中の熱水噴出孔がその有力な候補地です。

生命とは、自己複製と代謝の二大機能をもつのが特徴であり、これが生命と他の物とを区別する決定的な条件になっています。

今から5億4000万年ほど前には、原始的な生命が急激に多様化し発展した時期がありました。この出来事は「カンブリア爆発」あるいは「生命のビッグバン」とよばれています。環境の変化やあたらしい遺伝子の出現があったためとかんがえられています。

そしてその後の進化の結果 人類が出現してきました。人類は進化した順に、猿人→原人→旧人→新人(現代人)にわけられます。猿人の化石がアフリカでしか見つかっていないことなどから、最初の人類はアフリカで誕生したとかんがえられています。




生命の誕生と進化の研究から、地球の生命は、元ひとつのものから分化・発展してきたことはあきらかです。その結果が今日、生物多様性として認識されています。

生命は、分化する一方で生態系を成立させています。これは生命の世界は、分化しつつ体系化(システム化)されていることをあらわしています。分化しつつ体系化されるとは、発展しつつ維持されるということです。発展と維持というと一見 矛盾するようですが実際にはうまくいっています。

物事や組織は、発展する一方だと分解してしまいます。他方で維持しているだけだと発展できません。発展と維持の両者が必要です。生物多様性や環境問題にとりくむときにも、環境をただ維持・保守しようとするだけだとうまくいきません。発展しつつ維持されなければなりません。そのためには生命の進化や生態系について知ることが重要です。




ニュートン別冊『生物多様性』では生物の多様性について解説しています。生物多様性は空間的な見方です。一方、『生命の誕生と進化の38億年』では生命の進化を解説しています。進化とは歴史的・時間的な見方です。このように空間的な見方と時間的な見方をセットにしてとらえると認識が非常にふかまります




現代の進化論では、進化の仕組みを説明する仮説として、「遺伝子の突然変異→小さな差が生じた個体間での競争→自然選択」という説をうちだしています。しかしこの仮説によって「小進化」は説明できても、遺伝子の突然変異で生じた小さな差がどうして別の種に変化するのか? つまり「大進化」を説明することはできません。進化論の研究はつづきます。
 


▼ 注1
『 生命の誕生と進化の38億年』(ニュートン別冊)ニュートンプレス、2012年11月15日
生命の誕生と進化の38億年―いかに生まれ,いかに進化してきたのか? (ニュートンムック Newton別冊)

▼ 注2
『生物多様性』(ニュートン別冊)ニュートンプレス、2010年9月15日
生物多様性―地球の未来を考えるための重要ワード (ニュートンムック Newton別冊) 

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生物多様性の減少をくいとめる -『生物多様性』(ニュートン別冊)-
歴史的・時間的に生命をとらえなおす -『生命の誕生と進化の38億年』(ニュートン別冊)-

▼ 参考書籍
地球の入門書として最適です。
空間的な見方がわかります。
 



歴史的・時間的な見方がわかります。