旅先や取材先での体験のひとまとまりを圧縮・統合してメモを書きだし、体験のファイルをつくり記憶するとよいです。

昨日のブログ記事で、情報を圧縮・統合してファイル名をつけることをのべました。

情報を圧縮・統合してファイル名をつける >>


この方法は、旅先・取材先などでメモをとるときに応用できます。
 
メモをとるとはどういうことでしょうか。メモとは、見たり聞いたり味わったりしたこと(インプットした情報)の中で特に重要だと感じた情報についてキーワードなどを書きだして記録することです。つまりメモをとるとはアウトプットをするということです(図1)。

 
160113 メモ
図1 インプット→プロセシングの結果を
アウトプットしてメモを書きだす


見たり聞いたりしたことの全体を体験とよぶならば、メモは、体験のひとまとまりをうまく圧縮・統合したものの方がよいです。キーワードやキャッチフレーズなどをつかった適切なメモは、メモを見ただけで、体験のひとまとまりをすぐにイメージとしておもいおこすことができます。

旅先や取材先でメモをとるときには、現場での行動の区切りなどをうまくとらえて、体験のひとまとまり(ひとかたまり)を意識しイメージすることがポイントです。

こうして体験のひとまとまりに適切なメモをつけるとメモはその体験の見出しになり、それは情報の一単位になって一種の ”ファイル" としてあつかえます。メモは "ファイル名" です。メモを書きだすと同時にファイルができるというわけです(図2)。
 

160113 体験ファイル
図2 体験とメモとがセットになってファイルができる
(体験は情報の本体、メモはファイル名である)


ファイルを図2では球でモデル化しています。そしてこのファイルは、自分の心(意識)の中に記憶という形で保存されます。




たとえば旅先のある1日に10個のメモを書きだしたとしましょう。するとそれは10個のファイル名をつくったことになります。10個のメモは10個のファイル名であり、10個のファイルができたことになります。

そしてそれぞれのメモ(ファイル名)を見れば、そのメモがしめす体験のひとまとまりをイメージとして想起できるわけです(注)。これは、コンピューター・ファイルにおいて、ファイル名をダブルクリックあるいはタップして情報の本体を閲覧することと似ています。

  • 体験を圧縮・統合してメモを書きだす。
  • メモを見て体験を想起する。

単なるメモであってもこのようなことをちょっと意識するだけでそれは情報処理の訓練になります。メモをとるその瞬間に情報処理(インプット→プロセシング→アウトプット)はおこっているのです。たったひとつのメモにも情報処理やファイルの原理がふくまれています。メモはバカにできません。




このような体験のファイルは、コンピューターのファイル・システムと類似しています。コンピューターではストレージにファイルを保存しますが、わたしたち人間は心の中に記憶し保持します。

いずれにしても情報のアウトプットによりファイルができ、ファイルは情報の本体と表面構造とから構成され、ファイルは保存されるという仕組みを理解してつかっていくとよいでしょう。



▼ 注:メモのつかいかたの例
メモ(ファイル名)を見ながら体験を想起して文章を書いたり、複数のファイルを編成、統合しながら文章化をすすめるといったつかいかたがあります。

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