匂いも重要な情報の一種です。臭覚系の情報処理の仕組みを知ると匂いは脳が認識していることがわかります。

本ブログでは、情報処理をする存在として人間をとらえなおし、インプット・プロセシング・アウトプットのそれぞれについて考察をすすめています。インプットではとりわけ視覚を重視していますが、わたしたちは、視覚以外にも臭覚や味覚や聴覚や皮膚感覚などもあり、さまざまな感覚器から情報をとりいれて生きています(注1)。

『Newton』2016年1月号(注2)では「臭覚と味覚のしくみ」について解説しています。まず臭覚についてみてみましょう。


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わたしたちは縁日に行っていい匂いをかいだだけで「焼きそばだ」とわかります。これはどうしてでしょうか?

匂いは、鼻からすいこんだ空気とともにはいってきます(注3)。匂いの正体は、空気中をただよっている目には見えない微小な分子です。その匂い物質をとらえるのは、鼻の奥の「嗅上皮」(きゅうじょうひ)とよばれる部位の細胞(臭細胞)の表面にある「受容体」というタンパク質です。

その受容体が匂い物質をとらえると臭細胞の内部で電気信号が生じます。

その電気信号は脳のさまざまな場所につたわり識別・解釈されます。たとえば記憶をつかさどる海馬につたわると、「学生時代によく通ったカレー屋の匂いだ!」などと記憶とつきあわせて解釈されます。情動をつかさどる扁桃体につたわると「いい匂い」「いやな匂い」などの評価がくだされます。


このように、わたしたちの鼻には微小な分子がインプットされて、それが電気信号に変換されて脳におくられて解釈や評価つまり認識がなされるということです。認識はプロセシングの結果であるとかんがえてよいでしょう。つまり匂いは鼻で認識しているのではなく鼻はセンサーであり、認識は脳がおこなっているということです(下図)。

151206 臭覚
図 臭覚系の情報処理の仕組み


匂いも重要な情報の一種です。臭覚系の情報処理についても理解をふかめることはとても意義のあることだとおもいます。


▼ 注1
岩堀修明著『図解・感覚器の進化 原始動物からヒトへ 水中から陸上へ』(ブルーバックス)講談社、2011年1月20日
図解 感覚器の進化 原始動物からヒトへ 水中から陸上へ (ブルーバックス) 

▼ 注2
『Newton』(2016年1月号)、ニュートンプレス、2016年1月7日
Newton(ニュートン) 2016年 01 月号 [雑誌]

▼ 注3
食べている物の匂いは喉からもはいってきます。

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