情報のインプットをしたら、ぐっすり寝てプロセシングをすすめ、おきてからアウトプットをするとよいです。

南雲吉則著『20歳若く見えるために私が実践している100の習慣』(中経出版)がおもしろそうなので読んでみました。著者の南雲さんが睡眠の重要性について興味ぶかい解説をしていましたので引用しておきます。

97 ぐっすり寝ることで嫌なことは忘れられる
海馬の仕事とは、「いらない情報を切り捨てること」。そして、これが最もきちんと行なわれるのが、睡眠の最中です。

そうやって、記憶を無作為につなげていくことで、最終的にいらない部分を切り捨てて、大脳の奥深くにしまいこみます。そして必要なものだけを残していくというのが海馬の仕事です。海馬が働くことによって、生きていくうえで妨げとなるような記憶をしまいこんでいるのです。
 
98 悩みがあるときはさっさと寝てしまう
何か悩みがあるのなら、ひとたびは考えてみる。でも、答えが出ないときにはもうそれ以上は考えるのをやめましょう。何も考えずに脳のスイッチをオフにしてしまって、寝てしまうのがよいのです。これで新皮質はオフになります。

さっさと寝てしまうことが、心へのいちばんのケアになるのではないかと思います。

このように睡眠中に、情報整理や記憶やストレス解消がすすむということであり、これはつまり情報処理が睡眠中にすすむということです。非常に重要な知見だとおもいます。

情報処理をする存在として人をとらえた場合、インプットとは見たり聞いたり読んだり味わったりすることです。アウトプットは書いたり話したり行動したりすることです。それらの間の過程のプロセッシングはどういうことかというとイメージしたりかんがえたりすることですが、しかし、そもそも寝ている間に自動的にプロセシングがすすむというわけです(下図)。今では、多くの医学者や科学者が情報処理が睡眠中にすすむということをみとめています。

151112b 寝る
図 寝ている間にプロセシングがすすむ


たとえばわたしは何かの文章を書くときに、取材をしたその日には書かずに(書いてもメモ程度にしておいて)、一旦ねて翌日以降に書くようにしています。寝ている間にプロセシングがすすんで起きてからアウトプットができるからです。

寝ることはサボることではありません。今日の高度情報化時代にあっては、睡眠はプロセシングのもっとも重要な実践といってもよいでしょう。インプットしたらさっさと寝る。そして翌日以降にアウトプットするという方法を採用するとよいでしょう。


▼ 引用文献
南雲吉則著『20歳若く見えるために私が実践している100の習慣』中経出版、2012年3月22日
20歳若く見えるために私が実践している100の習慣 (中経出版)

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