外国旅行をして、自国からはなれて自国をとらえなおすと自国が全体的にみえてきます。

わたしは、環境保全活動のためにネパールに一時期くらしていたことがあり、いまでも毎年かよっています。

そこで気がついたことのひとつに、ネパール人やネパールで長年くらしている外国人がネパール全体のことは意外にわかっていないということがあります。

ネパールでくらしている人々は、自分のくらしているエリアのことはよく知っていますが、たとえば首都でくらしている人々はネパール山岳地帯のことはほとんど何も知りません。「え、こんなことも知らないの?」とおもうことがよくあります。

しかしご本人は、ネパールで長年くらしているのだからネパールのことはすべてわかっていると誤解をしています。その場所にどっぷりつかってしまうと身のまわりのことしかわからなくなり、自分のせまいエリアのことは知っていても全体像はみえていないのです。

これは、日本でくらしている日本人が日本のことに関して知らないことが意外に多い、わかっていないことが意外にあるということとおなじことです。


このような状況を改善するための簡単な方法は外国旅行をすることです。自分がくらしている国を一旦はなれてみるとおのずと全体的に自国をとらえなおすことができるようになります。対象の中にいるとみえないことが対象の外にでてとおくからはなれてみるとみえてくるのです。これは、概説書を読んだりウェブサイトをみればすむということではありません。

対象からはなれて、自分と対象との距離が大きくなればなるほど全体像が容易にみえてきます。対象への意識のくばりかたがそれまでとはちがってきます。とくに努力をしなくても自然に意識の場が大きくなります。物理的・空間的な実際の距離は自分の意識の場と連動しているのです(注)。

あるいは何か問題が発生したら、その場所やその集団・組織から一旦はなれてみると問題をとりまく全体状況が自然にみえてきて、問題解決のヒントがえられることがあります。

海外旅行をしてみる効果は想像以上に大きいです。まるごと全体的・総合的にとらえなおすことは問題の解決につながります。


▼ 注
意識の場とは情報処理の場といってもよいです。