『地形がわかるフィールド図鑑』(誠文堂新光社)は絶景を旅しながら地形について理解をふかめるためのガイドブックです。

日本各地で見ることができる興味ぶかい地形を全国から33ヵ所えらびだしてわかりやすく解説しています。見ているだけでもたのしいですが、気にいった所には実際に行ってみるとよいでしょう。アクセス情報もでています。

目 次
北海道
 礼文島/霧多布湿原/大雪山/東大雪山/洞爺湖・有珠・昭和新山

東北
 恐山/磐梯山と猪苗代湖

関東
 袋田の滝と男体山/筑波山/鹿島灘海岸/筑波台地/浅間山・草津白根山/高原山と那須野が原/秩父盆地と長瀞渓谷/養老渓谷/武蔵野台地/江ノ島/富士山・箱根火山・愛鷹火山/コラム 地形・地層の保護

中部
 大谷崩・赤崩/上高地/佐渡島/黒部川

近畿
 伊吹山/田上山/淡路島と六甲山

中国
 出雲平野/久ち井の岩海/コラム 風穴/秋吉台と秋芳洞

四国
 讃岐富士と屋島/吉野川

九州・沖縄
 阿蘇山/雲仙/沖縄島南部

日本の地形の基礎知識
空中写真の実体視
ブックガイド
用語集


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写真が豊富で地図がでています。また鳥瞰図も掲載されていて、これがいいです。鳥瞰図と写真・図・地図をあわせて見ると理解がすすみます。

地形を見るときのポイント(着眼点)としてはつぎの点をアドバイスしています。

  1. 傾斜が変わる場所を探そう
  2. 川の様子を観察しよう
  3. 地形と植生との関係を観察しよう
  4. 土地利用との関係を観察しよう
  5. 同じ場所を何度も訪れてみよう

書名は図鑑ということになっていますが旅行ガイドブックとしてつかえます。本書をもって出かければ、絶景がどのようにして形成されたのかを知ることができ、さらに一歩ふみこんだ旅をすることができます。

本書を通して、自然の仕組みのさらなる認識へとすすんでもよいですし、地形のうえでくらす人々に注目していってもよいでしょう。自然環境あるいは人間のどちらの方向へもすすめるのが地形のおもしろいところです。地形は風景や地域をながめるときのもっとも基本的な要素であり、地域を総合的に理解するための出発点としてつかえます。

本書は、著者らの調査・研究に裏打ちされた学術的にも立派なガイドブックです。情報は非常に正確であり、自信をもっておすすめします。


▼ 引用文献
青木正博・目代邦康・澤田結基著『地形がわかるフィールド図鑑』誠文堂新光社、2009年8月31日
地形がわかるフィールド図鑑


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