目は光をうけるセンサーであり、脳はプロセッサーです。目は2個あるので、ことなる2系統の情報が脳におくられ、脳で処理されて1本の3D画像が成立します。

藤田一郎著『脳がつくる3D世界 立体視のなぞとしくみ』(化学同人)は、わたしたちの世界が3D(三次元)に見える仕組みをわかりやすく説明しています。

目 次
第1章 一つの目、二つの目、脳
第2章 片目だってなかなかやる
第3章 二つの目で見る
第4章 3D映像のからくり
第5章 立体世界を見る脳のしくみ
第6章 ものの大きさを知る


目の網膜が光をとらえると、光は電気信号に変換されて脳におくられ、脳でそれが処理されて「見える」という知覚が生じます(注)。

そしてわたしたちは、わたしたちが存在する世界を3D世界(三次元)として知覚します。それではどうして3Dとして知覚できるのか、本書ではつぎのように説明しています。

世界は、左右それぞれの目の網膜にまず投影され、この時点では、左右それぞれの網膜上での二次元画像である。その情報が脳におくられ、脳が三次元世界を心の中につくりなおしている。

奥行きをもった三次元世界が目や脳に飛び込んできているわけではなく、左右の目の間での像のずれという「物理量」を脳が検出し、それが奥行き感・立体感という「知覚」へと変換される。


つまり、わたしたちが知覚している3D世界は、実は、情報処理によって脳がつくりだした「合成画像」であるというのです。

目は光をうけるセンサーであり、脳はプロセッサーです。センサーは2個あるので、ことなる2系統の情報がプロセッサーにおくられ、そこで処理されると1本の3D画像が成立するというわけです(図)。

両眼立体視は、私たちが見る世界は脳がつくることのもっとも端的な証拠である。


150924 3D世界

図 情報処理によって3D世界が知覚される


わたしたちは、世界が立体的に見えるのはあたりまえのようにおもっています。一方で,3D映画やステレオグラムといった平面から飛び出す画像を見ると新鮮なおどろきを感じます。どうして3Dに見えるのか。脳は、うけとった情報から奥行きに関する情報を抽出し,立体的な世界を「心の中」につくり出すという本書の説明はわかりやすいです。

本書では、簡単な実験や図形や絵をつかいながら、立体的に見えるとはどういうことかを実体験することができます。そしてそのとき脳の中で何がおきているのかを最先端の脳科学で説明してくれます。

このようなわたしたちの情報処理の仕組みを見ることをとおして理解することは、情報処理をすすめ問題を解決するために役立ちます。


▼ 引用文献
藤田一郎著『脳がつくる3D世界 立体視のなぞとしくみ』(Dojin選書)化学同人、2015年2月20日
脳がつくる3D世界:立体視のなぞとしくみ (DOJIN選書)  

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