海外旅行では、国内旅行とはちがうトラブルが発生しやすいです。あらかじめ被害を想定して対策を講じておくことが大切です。

海外旅行でもっとも頻繁におこるトラブルは盗難です。いかにも「初めての海外旅行者」といったスタイルはとくにねらわれやすいです。世界でも例外的に治安がよい環境にすんでいる日本人は、世界全体の安全水準をみあやまっている場合が多いので注意が必要です。

盗難にあわなくとも、持ち物を紛失したり、おきわすれたりすることがありあす。

以下の対策を講じます。

  • パスポート・現金・クレジットカード・航空券などの貴重品はつねに身につけておく
  • 空港や駅で、あるいは移動中は持ち物から手をはなさない。
  • 床においた荷物は足ではさむ。
  • 移動の際の持ち物は、スーツケースと機内もちこみバッグの2個に限定するのがよい。
  • 1〜2週間未満の旅行であれば、機内もちこみ荷物1個のみにするのもよい。
  • 詳細な行動記録をつけておく。紛失した場合には記録をみて行動をこまかくトレースすることにより、どこでなくしたか見当がつく場合がある。


空港へは、飛行機にのりおくれないように十分な時間の余裕をもって行くようにします。乗り継ぎをする場合も十分に時間をとります(一般的には1時間ではたりないでしょう)。

空港で荷物をあずける際には誤送をふせぐためにふるいタグははずしておきます

到着した空港で、あずけた荷物がひきとりの際に出てこないことがときどきあります。通常は紛失ではなく遅延です。そのときはロストバゲッジの窓口に申告します。スーツケースの形状をつげる必要があるので、形や色などを正確におぼえておくか、写真をとっておきます。当面の日用品を買った場合は費用を請求できるので領収書をお店でもらっておきます。荷物は後日ホテルにとどけてくれるでしょう。

部屋にいるときにはドアは厳重にロックします。チェーンがある場合にはかならずかけます。ノックされてもあけてはいけません。廊下は外の道路とおなじです。どんな危険がまっているわかりません。

外出するときにはホテルカードをもって出かけます

病気や怪我・事故などにそなえて海外旅行傷害保険にはいっておきます。はいらないと、そのときにかぎってそれをねらいうちにしたように事故などにあうことがあります。

外国人が書くアラビア数字は日本人のものとかなりちがう場合があるのでなれておく必要があります。

数字の聞きまちがえにも注意します。たとえば “thierteen” と “thirty” を聞きまちがうことがあります。不確かな場合は “one-three?” あるいは “three-zero?” と聞きかえしてたしかめます。何事もあやふやなことがあったら、その時その場ですぐに聞きかえすことが必要です。確認しすぎてしすぎることはありません。

ヨーロッパやアメリカでは日本とはちがい夏時間を採用している国が多いので事前に確認しておきます。


▼ 引用文献
野口悠紀雄著『「超」旅行法』(第12章 トラブル・シューティング)新潮社、1999年11月25日
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▼ 追記
上記のうちでは盗難対策がもっとも重要です。とくに現金がねらわれます。また最近ではパソコンがぬすまれるケースもふえています。

一般的な注意点としては、すこしでも不確かなことや不安なことがあったら遠慮することなくその場ですぐに何でも聞きかえしたり質問するようにします。曖昧なままにしておかないことが重要です。

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