取材をはじめるにあたって問題意識を鮮明にしておくことはとても重要なことです。

そもそも何で取材をするのか、課題や疑問を明確にしてそれらを書きだしてみるとよいです。これは問題提起ともいえます。

問題意識を鮮明にすると新鮮で鋭敏な感受性が高まり、観察眼がするどくなります。努力の焦点がさだまり、集中力も増し、その後の調査がみのってゆきます。そしてどこをどのように調査していけばよいかという取材の方針もあきらかになります。
 
そもそも情報収集ができるのは対象を意識し、対象に対してこちらから意識をくばるからです。対象に意識をはらわなければつまり問題意識がなければ情報がそこにあってもキャッチされることはありません(注)。「心ここに在らざれば、視れども見えず、聴けども聞こえず、食らえどもその味を知らず」(『大学』)ということです。

このように問題意識をあらかじめとぎすましておくことはとても大切なことです。



▼ 注
ここでいう意識とは心といいかえてもよいです。また情報処理の場とよんでもよいです。


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