本多勝一著『極限の民族』は、イニュイ民族(カナダ=エスキモー)、ニューギニア高地人、アラビア遊牧民について報告していて、わたしたち日本人が知らない極限の民族あるいは極端な世界についておしえてくれます。
 
このような極限あるいは極端を知ることは世界や地球の多様性を知り、その全体をとらえるための重要なとっかかりになります
 
たとえば図1のモデルにおいて黒色の3点は極限の(極端な)3点としましょう。このような極端な3点を知ることができれば全体象がとらえやすくなります。

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図1 極端な3点は全体像をとらえやすくるす


しかし図2のように中間点だけを見ていたらいつまでたっても全体はわかりません。

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図2 中間点だけをみていると全体はわからない


極端な3点だけで全体がわかるわけではもちろんありませんが、すくなくとも重要な手がかりになり、その他の中間的なものは極端と極端とのあいだに位置づけて整理して理解していくことができます。

たとえば外国のある民族の社会について理解しようとおもったら、最上位階層の人々の生活を知り、一方で最下位階層の人々の生活をまず知る必要があります。そうすれば中流階級の人々の生活はそれら両極端のあいだに位置づけて理解することができます。こうすれば比較的短期間でその民族の社会の全体像がつかめます。
 
わたしはネパールでかつてくらしはじめたときにこの方法を実践してみました。しかし中間層の人々だけと、あるいは最上位階層の人々だけとつきあっていた日本人もいました。その人たちはいつまでたっても社会の全体が理解できないでいました。

このように『極限の民族』をとおして極限あるいは極端について知ることには大きな意義があります。本書を、世界あるいは地球の全体をつかむためとっかかりとして活用していきたいものです(注)。


▼ 引用文献
本多勝一著『極限の民族』(本多勝一集 第9巻)1994年2月5日
極限の民族 (本多勝一集)  

▼ 関連図書


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▼ 注
極端を知ることは、世界や地球にかぎらず、対象の全体をとらえるために役立ちます。何かを評価するときにも必要なことです。