「活夢法」(かつむほう)とは「夢を知り、夢を変え、夢を活かす新しい分野」です。昔から、夢を見て問題を解決したり、創作したり、アイデアを得たという人の話は少なくありません。たとえば、私のすきな映画に黒澤明監督の『夢』があり、これも黒澤監督みずからが見た夢にもとづいてつくられたそうです。

本書は、自分の夢を活かす方法を解説しており、夢に関する常識を一変させてくれます。

1 夢の想起で未知なる自分を“解読”

2 他人の夢で自分の夢を点検する

3 「14の原理」で高度な夢解釈力を

4 「夢見力」を高める14の活夢法

5 夢を活かして創造的に生きる


「活夢法」の具体的な方法は、「夢のチェックリスト」をつくるところからはじめます。ここでは、夢を想起して、月日・題名・概略・評価などを記録していきます。夢の一まとまりの体験の中から、印象的な特定の場面を一つ選択して、それをいわば全体を代表させるラベルのようなものとしてあつかい、そのラベルとなるイメージ場面に4文字の漢字の題名をつけます。

夢のリストを折々にながめていると、夢の世界の大きな潮流を把握することができ、忘れていた夢を想起することもできます。想起することは心の中を整理することになます。

そして、このようなリストを蓄積して「夢ファイル」をつくり、さらに「夢ファイル」を数百例蓄積して「夢地図」をつくります。「夢地図」では、複数の夢を接続しながら、大きな夢の世界を統合的に作成し、夢空間を見通しよくながめるようにします。

このようにして、夢を注意深くチェックすれば新しい発想のヒントが得られます。たとえば、夢の中の「登場人物は自分の分身である」(分身原理)と想定して解釈すると、自分の意識の奥で何が起きているかがわかり、日常で何をすべきかの示唆も得られるようになります。


「夢は潜在意識を知る窓口」であると著者は解説しています。夢は、潜在意識の世界と表面意識の世界との中継地点です。夢の中に表現された「潜在意識のメッセージ」に気づくことが重要です。

日々の「夢のチェックリスト」づくりをまずは実行し、夢を活用できるようにしていきたいものです。