記憶法をみごとに体系化しています。記憶法に関しては、古今東西さまざまな技法が開発されていますが、このSRS記憶法ほど みごとに体系化され、なおかつ、訓練の手順・道筋を明確にしめした方法を私は他に知りません。

このSRS記憶法の中でもっとも重要な技法はSの方法(Space Method:空間法)です。Sの方法を中心にして記憶の練習をするとよいでしょう。

Sの方法(空間法)は、Pの方法(Picture Method:絵画法)の発展形態としてとらえることもできます。また、Sの方法(空間法)は空間をつかうのに対して、Lの方法(Linear Method:線形法)は時間軸をつかうので、Lの方法(線形法)はSの方法(空間法)を補完します。さらに、よりすすんだ実践形態としてWの方法(Walking Method:散歩法)があります。

したがって、Sの方法(空間法)を中心にしつつも、Pの方法(絵画法)Lの方法(線形法)を加味し、意識的に時間をつくってWの方法(散歩法)を実践するのがよいでしょう。

こうして、体験と知識とをむすびつけ心の空間や内面世界を大きく発展させていくことがのぞまれます。


引用文献:栗田昌裕著『栗田博士のSRS記憶法』 ダイヤモンド、1993年 
栗田博士のSRS記憶法―潜在能力をぐんぐんひきだす