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国立科学博物館「「シアター36○」(リーフレットから引用)


東京・上野の国立科学博物館のなかにある「シアター36○」(シアター・サン・ロク・マル)に行きました。360度全方位の映像につつみこまれるおどろきの異空間を体験することができました。

「シアター36○」とは、直径12.8m(実際の地球の100万分の1の大きさ)のドームの内側がすべてスクリーンになっていて、その中のブリッジにたって、360度全方位にうつしだされる動画をたのしむ世界初のシアターです。

国立科学博物館・日本館地下1階にあり、博物館への入場料金(常設展料金:一般620円)のみで追加料金なしで見ることができます。 整理券などの配布はなく先着順です。



今回わたしが見たプログラムはつぎの2本でした。

(1)マントルと地球の変動 –驚異の地球内部–
(2)海の食物連鎖 –太陽からクロマグロをつなぐエネルギーの流れ–

上映時間はのべ約10分とみじかかったですが貴重な体験をしました。とくに、「マントルと地球の変動  –驚異の地球内部–」は印象にのこりました。内容はつぎのようでした。

  • 地球のなかから地球の表面を見ると大陸が移動しています。
  • 海溝では、「プレート」が、地震をおこしながら地球内部にもぐっています。
  • 地球内部のマントルでは「プルーム」とよばれる動きがあります。
  • アジア大陸の下では「コールドプルーム」がおちてきます。
  • 南太平洋やアフリカ大陸の下では「ホットプルーム」が上昇しています。
  • 「ホットプルーム」にのって上昇していくと、地表でマグマになり火山が噴火します。
  • マントルの動きは、大山脈・大断層・海嶺・海溝などのさまざまな地形を生みだします。

宇宙から見た地球や地球の断面図は書籍などでも見ることができますが、地球のなかから地球を見たのは初めてで、まるで自分が地球になったかのような気分になれました。

このシアターの特色は、認識する対象の中に自分が入ってしまうことにあるでしょう。

人間の目は顔の前面についていて前方しか見えないこともあって、わたしたちは何かを認識する場合、自分はこちら側にいて対象はむこう側にあると普通はおもってしまいます。しかし、このシアターではそうではなくて、認識する空間のなかに入りこみ、自分がその空間の一部になってしまいます。

そして、認識する空間が球形にひろがっているということは、自分の意識の場を球形にひろげるきっかけにすることができます。

何かを大観したり観察するとき(情報をインプットするとき)、このような360度全方位の大きな空間を意識することは重要なことです。そうすれば、より多くの情報をまるごとインプットすることができます。「シアター36○」での体験は、みずからの情報処理の仕方を深化させるために応用できるとおもいます。


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