本多勝一著『日本語の作文技術』の「第六章 助詞の使い方」の「5 サルとイヌとネコとがけんかした ─ 並列の助詞」では、「と」「や」「も」「か」「とか」「に」「だの」「やら」「なり」など、並列の助詞について解説してます。

たとえば「クジラ・ウシ・ウマ・サル・アザラシは哺乳類の仲間である」にひとつだけ「や」をつけると、「クジラウシ・ウマ・サル・アザラシは哺乳類の仲間である」となります。

同様に 「と」「も」「か」「とか」「に」「だの」「やら」「なり」なども、ひとつだけ使う場合は最初の単語につけるのが最もすわりがよい。

例文はつぎのとおりです。

出席したのは山田中村・鈴木・高橋の四人だった。
ヘビトカゲ・カメ・ヤモリ・スッポンも爬虫類だ。
黒水引 の袋には「御霊前」とか「御香典」・「御仏前」とでも書けばよい。
雪・霙・霰・雹かはそのときの気象条件による。
花子鹿子・時子、節子・晃子の五人が見舞いにきた。

「も」と「か」は、全体の最後にも「も」「か」をつけないとおかしいです。

この点は「と」もその傾向があり、論理的にはむしろ「と」をつける方がよいことが多い。

イヌとネコとサルがけんかした。

こうすると、三者入り乱れてのけんかであることが明白になります。

一番やってはいけない書き方は、「クジラ、ウシ、ウマ、サルそしてアザラシは哺乳類の仲間である」というような書き方です。これは、イギリス語などの「クジラ, ウシ, ・・・ and アザラシ・・・」という並べ方を模倣したものであり、日本語のシンタックス(統語論)にはないものです。



■ まとめ
  • 並列の助詞は、ひとつだけつかう場合は最初の単語につける。
  • 「も」と「か」は、全体の最後にも「も」「か」をつける。
  • 「と」も、全体の最後にもつける方がよいことが多い。



▼ 文献
本多勝一著『日本語の作文技術』(朝日文庫)1982年1月14日
日本語の作文技術 (朝日文庫)