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上の絵は、近くで見ると風景ですが、遠くから見ると人物の頭部に見える だまし絵です。Bunkamura ザ・ミュージアムで開催された企画展「だまし絵 II」の図録から引用しました。作者は不詳、17世紀初頭頃の作品です(注)。

近くで見るということは、対象を大きくとらえて細かく見るということであり、一方、遠くで見るということは、対象を小さくして大局を見るということです。つぎの対応関係に注意しなければなりません。

近くで見る:対象を大きくする
遠くで見る:対象を小さくする

自分が移動しなかった場合でも、対象を拡大したり縮小したりすると、自分が近づいたり遠ざかったりしたのとおなじ効果があります。

この絵はだまし絵であり、そのようにえがいているのでわかりやすいですが、現実の世界にいても、遠近によって見え方はかなりちがってくることに気がつくことはよくあります。

このようなだまし絵をたのしんでいると、かたよった見方をしていると、錯覚がおこるということがよくわかってきます。だまし絵の作者は、そのようなメッセージをユーモアをまじえてつたえようとしているのではないでしょうか。

対象を見るときには、遠くからも見て、近くからも見て、遠近のひろがりのなかで本当の姿をとらえるようにしなければなりません。


▼ 注(文献)
『だまし絵 II 進化するだまし絵』(図録)中日新聞社発行、2014年
 Bunkamura オンライン市場

▼ 関連サイト
視覚効果と先入観とがくみあわさって錯覚が生まれる - 特別企画「だまし絵 II」-