今回は、「編成法」をつかって20件の情報(ファイル)をから要約を書いてみます。


■ ラベルをつくる

まず、「ラベル法」をつかって情報のラベルをつくります。

取材する → 情報を選択する → 単文につづる


今回は、下の20枚のラベルをつくりました。これらは、「時代の潮流を洞察する」というテーマで、わたしがかつて開催した講習会で受講者から取材した情報(データ)のラベルです。
キャンバス 1
図1 「ラベル法」でつくった20枚のラベル



■「編成法」で情報を処理する

つぎに、「編成法」をつかってこれら20件の情報を処理していきます。「編成法」の手順は次のとおりです。

ラベルをよむ → ラベルをあつめる → 要約する 



1.ラベルを読む

上の20枚のラベルを3回よみ、大局をつかみます。



2.似ているラベルをあつめる

つぎに、似ているラベルをあつめてセットをつくります。分類するのではなく、相対的にみて似ているラベルをあつめるのがポイントです。あつめるラベルの枚数は2〜3枚を目安とします。一度にたくさんの枚数はあつめません。すべてをセットにするのではなく、セットにならないラベルがのこっていてかまいません。
キャンバス 2

図2 似ているラベルをあつめセットをつくる
 
 


3.ラベルを要約する

あたらしいラベルを用意し、セットになったラベルの上にかさねます。
キャンバス 3

図3 ラベルのセットの上にあたらしいラベルをかさねる


 
それぞれのセットについて、あつまったラベルの内容を統合・要約して、あたらしいラベルに書きだします(アウトプットします)。あたらしいラベルを「表札」とよび、「表札」であることがわかるようにするために赤色で記載します。「表札」とは、一番上の表にある札(ラベル)ということです。
キャンバス 4

図4 セットの内容を統合・要約して、あたらしいラベルに書きだす




4.「編成法」をくりかえす

■ 2段目

「1匹オオカミ」としてのこったラベルについては、それがわかるように右下に赤点をうっておきます。ふたたびラベルをならべ、「ラベルを読む」の第2段目をおこないます。
キャンバス 5
図5 ふたたび「ラベルをよむ」をおこなう



「ラベルをあつめる」の第2段目をおこないます。
キャンバス 6
図6 「ラベルをあつめる」第2段目をおこなう




「要約する」の第2段目をおこないます。
キャンパス 7a
図7 セットのうえにあたらしいラベルをかさねる

 


2段目の 「表札」は青色で書きます。
キャンバス 7b
図8 「要約する」の2段目(青色で記載する)




■ 3段目

3段目の「ラベルをよむ」をおこないます。
キャンバス 8
図9 3段目の「ラベルをよむ」をおこなう




3段目の「ラベルをあつめる」をおこないます。
キャンバス 9
図10 3段目の「ラベルをあつめる」




3段目の「要約する」をおこないます。
キャンバス 10
図11 セットの上にあたらしいラベルをかさねる




3段目の 「表札」は緑色で書きます。
キャンバス 11
図12 3段目の「要約する」





5.最終的なアウトプット

以上から、下記のように、7つの項目として最終的なアウトプットができました。

 
(1) 東西両陣営の冷戦がおわったら、民族間摩擦がたくさん噴出してきた。

(2) 人間らしさの喪失、家庭崩壊、粗さがし、自我の拡大などにより、これまでの社会が解体していくきびしい時代になった。

(3) 自然とそれを生かした伝統文化を劣等視し、自然を支配しようとする欧米文化への迎合が環境問題をひきおこし、自然と共生する文化に転向することがせまられるようになった。

(4) 生活力が旺盛でかせぎまくれる人々のみを厚遇し、弱者を冷遇する日本社会の福祉のあり方を是正しなければならない。

(5) 女性の意欲やエネルギーを社会でどういかすかが問われている。

(6) 二次情報にふりまわされないで、本当に必要なものを見ぬく情報処理能力が必要な時代になった。

(7) 個性を無視した知識ツメコミ教育や、物・金偏重の社会に人々は満足できず、心豊かで全人的バランスのある道をもとめだした。




上記の「編成法」をつかって20個のファイルを編成・編集し、その結果をアウトプットしました。

「編成法」では、要約のなかにあたらしいアイデア・仮説がでてくることがあります。また、まったくあたらしいアイデアをおもいつくこともあり、その場合は、そのアイデアは別にメモをしておき、あとで活用するようにします。

「編成法」は、考察を書いたりするときにもつかえます。一方で、日記や旅行記・行動記録などを書く場合は、情報(ファイル)は時間軸にそって時系列に書きだせばよいのですから「編成法」はつかいません。

なお、上記の方法は、「発想をうながすKJ法」(注)の一部として元来は開発されましたが、上にしめしたように単独で実践することができます。


▼ 注:参考文献
川喜田二郎著『発想法』(中公新書)1967年6月26日