SRS栗田式記憶法には「埋込法」(Key method) という方法があります(注1)。

今回は、この「埋込法」を実践して、「絶景写真」(注2)100枚を記憶し想起してみたいとおもいます。具体的には、100枚の「絶景写真」それぞれに100個の「数字イメージ」を埋め込んで写真を記憶していきます。

情報には、ひろがりのあるものと、そうではない断片的なものがあり、ひろがりのあるものは「構造情報」、断片的なものは「点情報」とよびます。ここでは、「絶景写真」は「構造情報」、「数字イメージ」は「点情報」となります。

まず、「点情報」である「数字イメージ」を語呂合わせでおぼえます。


■ 01
『10万円あれば行けちゃう! 世界の絶景10』(注2)の写真 No.01(下の写真)を見ながら、01のところに「ワイン」があるとイメージし記憶します。写真(構造情報)のなかに、「ワイン」のイメージ(点情報)をあらたに埋め込むわけです。

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つぎに、目をとじて、「ワイン」をおもいだして、その周囲のイメージ、つまり絶景写真 No.01 の全体を想起します。どこまで正確に想起できるでしょうか。



■ 02
同様に、写真 No.02 を見ながら、02のところに「鬼(オニ)」がいるとイメージし記憶します。

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目をとじて、「鬼」をおもいだして、その周囲のイメージ、つまり絶景写真 No.02 の全体を想起します。



■ 03
同様に、写真 No.03 を見ながら、03のところに「王座(オーザ)」があるとイメージし記憶します。

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目をとじて、「 王座(オーザ)」をおもいだして、その周囲のイメージ、つまり絶景写真 No.03 の全体を想起します。



■ 04
同様に、写真 No.04 を見ながら、04のところに「鷲(ワシ)」がとまっているとイメージし記憶します。

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目をとじて、「 鷲(ワシ)」をおもいだして、その周囲のイメージ、つまり絶景写真 No.04 の全体を想起します。



■ 05
同様に、写真 No.05 を見ながら、05のところに「孫(マゴ)」が立っているとイメージし記憶します。

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目をとじて、「 孫(マゴ)」をおもいだして、その周囲のイメージ、つまり絶景写真 No.05 の全体を想起します。


ここまでできたら、01〜05までを連続的に想起してみます。目をとじて、01「ワイン」、02「鬼」、03「王座」、04「鷲」、05「孫」というように、01〜05までのイメージを連続的におもいうかべます。数字イメージの周囲のイメージつまり写真全体がどこまで正確に想起できるでしょうか。


以下同様にして、06、07、08・・・と実践してみます。



■ 点情報を引き金にして構造情報を想起する

上記の「埋込法」は、「点情報」である「数字イメージ」を、「構造情報」である写真に埋め込んで、そして、「数字イメージ」を引き金にして「構造情報」である写真全体を想起する仕組みになっています

そもそも、語呂合わせでおぼえた数字のイメージは100個の記憶ファイルの体系であり、「数字イメージファイル」になっていました。

この「数字イメージファイル」が洗練されてあらかじめよく記憶できていれば、それにむすびつけるようにして、100枚の「絶景写真」がスムーズに記憶でき、これらがあらたなファイルとして心のなかに保持されます。

このように、既存のファイルにあたらしいファイルをむすびつけていくところに記憶や理解の極意があります。これは、記憶法やファイル操作の初歩的・基本的な方法であり、心のなかのファイルをさらに成長させていくための第一歩です。



■ まずは、重要なイメージを記憶する

自分の興味ある分野に関して『○○○の100』という書籍があればそれを利用し、その「100」をしっかり記憶します。あるいは、重要な書籍から100のイメージ(図表や写真)をピックアップして記憶してみます。「埋込法」を活用して、まずは、その分野に関する重要なイメージを記憶してみるのがよいでしょう



▼ 注1

▼ 注2


▼ 関連ブログ
絶景を旅して人生を変える 〜 小林克己著『10万円あれば行けちゃう! 世界の絶景100』〜