発想法 - 情報処理と問題解決 -

情報処理・学習・旅行・取材・立体視・環境保全・防災減災・問題解決などの方法をとりあげます

151112
Mission Control で複数のウインドウを操作する


Mac OS X「El Capitan」でメニューバーと Dock を「隠す」設定にして「Mission Control」をつかえば、大きなワーキングスペースのなかにいくつものウインドウを空間配置して情報の並列処理をおこなうことができます。

最新の Mac OS X「El Capitan」では「メニューバーを自動的に隠す/表示」に設定することができます。「システム環境設定」→「一般」から「メニューバーを自動的に隠す/表示」にチェックをいれます。「Dock を自動的に隠す/表示」とおなじ挙動をするようになります(注)。

Mac OS X を最新版「El Capitan」にアップグレードする >>

メニューバーと Dock の両方を「自動的に隠す/表示」の設定にしておくとデスクトップのスペースをフルにつかうことができます。これで、アプリのウインドウの全画面表示のボタンをクリックしなくても全画面表示ができます。あるいは画面分割(Split View)もでき、2分割だけでなく3分割などもできます。

仮想デスクトップをたくさんならべて Mission Control でコントロールするということは従来の OS でもできましたが、メニューバーをかくす設定がくわわったことにより操作が一層やりやすくなりました。
 
メニューバーと Dock をかくしたりアプリのウインドウの全画面表示を採用すると、仮想デスクトップがいくつもならんでいるというよりも、ことなる複数のアプリのウインドウが配列しているということになります。たくさんのウインドウが空間配置されているというイメージです。これは、デスクトップの上で作業をすすめるという従来の仕事のやり方からは大きく進歩することを意味します。

このあたらしい仕組みは、いくつものプランを並列的にうごかしたり、複数の仕事を同時並行的に処理していくためにとても役立ちます。つまり情報の並列処理(並列的なプロセシング)が容易になるのです。

並列ということは直列ではないということです。多くの人々は、一つの仕事が完全におわってから次の仕事にうつるという直列的なやり方はしていないでしょう。いくつかの仕事を同時にかかえているというのが普通の人です。生徒や学生もいくつもの科目を同時並行的に勉強しなければなりません。今週は国語、来週は数学、来月は社会・・・というわけにはいきません。

あたらしい OS を利用すれば、大きなワーキングスペースのなかにいくつものウインドウが空間配置されているとイメージすることができ、並列的に情報を処理していくことが可能になります。プロセシングの基本は並列処理にあることをあらためて意識するとよいでしょう。


▼ 注
Dock の挙動も「システム環境設定」で設定できます。

▼ 関連記事
情報を並列処理する - ミッションコントロール -

Mac OS X を最新版「El Capitan」にアップグレードする
ワーキングスペースのなかで情報を並列処理する - Mac OS X El Capitan -
机の上から解放される - Mac OS X El Capitan -


Sponsored Link


机の上で作業をするというのではなく、大きなワーキングスペースをイメージして、そのなかで情報処理をすすめることが大切です。

パソコンが普及する以前はわたしたちは、紙の資料や紙のノートを机の上にひろげて勉強や仕事をしていました。

その後パソコンがつかえるようになってからは、机の上は、パソコンのデスクトップに移行して、デスクトップに書類やワープロのウインドウをひろげて作業をしていました。

そして今日、デスクトップからも解放されて、ワークングスペースをイメージ空間にひろげていくつものウインドウをそのなかに空間配置し、アプリを自在に横断しながら情報処理を並列的にすすめることが可能になりました。Mac OS X El Capitan の Mission Control をつかえばこのようなことが容易にできます。

今までは、机の上(デスクトップ)で勉強や仕事をするというやり方でしたが、これからのあたらしい時代は机の上から解放されて、自分独自のワーキングスペースをつくり、そのなかで情報処理をすすめるという方法に発展します。

クラウドとモバイルを利用すればオフィスにいる必要もありません。デスクの上やオフィスにとらわれるのではなく、大きなワーキングスペースをイメージすることが重要になります。

 
▼ 関連記事
Mac OS X を最新版「El Capitan」にアップグレードする
ワーキングスペースのなかで情報を並列処理する - Mac OS X El Capitan -
机の上から解放される - Mac OS X El Capitan -


Sponsored Link


IMG_4021
Magic Trackpad 2


サイズが大きくなったアップルの「Magic Trackpad 2」をつかうと作業スペースが拡大します。

新しいトラックパッド「Magic Trackpad 2」を購入しました。サイズがとても大きくなり外観もかわりました。MacBook Pro でつかいます。

まず、Mac OS X を最新の「El Capitan」にアップグレードしなければなりません。ふるいバージョンではつかえません。 

つぎに、Lightning-USB ケーブルをつかって Magic Trackpad 2 を MacBook Pro につないだら Bluetooth ペアリングが自動的に完了し、すぐにつかえるようになりました。
 
新製品は乾電池式ではなく充電式になりました。充電された状態で出荷されているのであらためて充電する必要はありません。バッテリーがきれたら、Lightning-USB ケーブルをつかって Mac に再度つなぎます。満充電までにかかる時間は約2時間で、満充電から約1ヶ月は使用できるそうです。

スライド式電源スイッチが右後ろについているので、つかわないときは切っておきます。電源オンのときにのみクリックができるようになっています。電源オンのときにのみ擬似的なクリック感を発生させる仕組みです。

新機能として「強めのクリック」(感圧タッチ)があります。便利でもありますが "おもしろい" といった感じです。トラックパッドを押してから指先で圧力をくわえると(しらべたいテキスト上を1本指でつよめにクリックすると)「調べる&データ検出」機能がつかえます。

面積が大きくなったので、作業スペース(ワーキングスペース)が拡大し、つかい勝手はとてもいいです。

なお「Magic Keyboard」もあわせて購入しました。小さく薄く軽くなりました。旧モデルよりもみじかいストロークでしっかりタイプできますので大量に文章をうちこむ人にとってはいいでしょう。しかし Magic Keyboard は進歩はしているもののあたらしい機能は特別にはないようです。店頭でたしかめてから買ったほうがよいでしょう。

新しい Magic Keyboard、Magic Trackpad 2 >> 


Sponsored Link


Mac OS X を最新版「El Capitan」にアップグレードすると Mac の動作が軽快になり「ライブ変換」などのあたらしい機能もつかえます。

アップルの Mac OS X を最新版「El Capitan」(10.11.1)に「Yosemite」(10.10.5)からアップグレードしました。パフォーマンスがあきらかに向上してあらゆる動作がはやくなり、さくさくとうごいて気持ちがいいです。

Mac OS X El Capitan(注1) >>

OS のアップグレードにあたり、その前に、Time Machine で Mac のデータをバックアップしました。バックアップはかならずしておかなければなりません(注2)。

El Capitan は App Store から無料でダウンロードすることができます。光回線でダウンロード、インストールもあわせて合計約50分かかりました。上書きでインストールし、クリーン・インストール(初期化してからインストール)はしていませんが今のところ不具合はまったく生じていません。


■ ライブ変換
El Capitan の進歩の一つは日本語システムが「ライブ変換」に対応したことです。

ライブ変換をつかうには、「システム環境設定」→「キーボード」→「入力ソース」→「(あ)日本語」から「ライブ変換」にチェックをいれます。つかわないときにはチェックをはずします。

151109b


これまでは、ひらがなを入力してスペースキーをおすか句読点をうつと文節ごとに変換してくれる仕組みでした。 

El Capitan の日本語システムではこれにくわえて、キーをうったそばからその場で変換をはじめてくれる仕組みが登場しました。実際にためしてみると、これまでの方法とはあきらかにちがう体験がえられておもしろいですが慣れる必要があります。まずはためしてみるのがよいでしょう。学習機能は強力で、ユーザーの文章の特徴が学習され、つかえばつかうほど変換精度があがってきます。


■ メニューバーが消せる
デスクトップの上部に常に表示されてきたメニューバーが消せるようになりました。作業スペースがひろがります。表示されるマウスを画面上端にもっていくとプルダウンしてくる仕組みであり、Dock をかくす機能とおなじ挙動です。

「システム環境設定」→「一般」から「メニューバーを自動的に隠す/表示」にチェックをいれます。

151109
 

■ Split View(画面分割)
ウインドウシステムが全画面アプリを2つ配置する画面分割に対応し、Mac の画面に 2 つの App をならべて表示できます。ウインドウの全画面表示のボタン(左上の緑色のボタン)をおしつづけつと分割表示になります。

Split View >>


■ Time Machine のアイコンが変わらないとき
OS をアップデートしたあと、Time Machine 用のドライブとして使用しているドライブのアイコンが黄色いアイコンのままでいつまでたっても 緑色の Time Machine のアイコンに変わりませんでした。Time Machine によるバックアップは正常にできていて、ドライブの情報では Time Machine のアイコンになっています。

そこで、デスクトップ上で右クリックしてコンテキストメニューをだし、「表示オプションを表示」で表示オプションを表示させ「アイコンプレビューを表示」を一旦オフにして、ふたたびオンにもどしたら解決しました。


■ カーソルをシェイクすると大きくなる
ディスプレイ上でカーソル(マウスポインタ)を見失なったら、トラックパッド上で指を左右にすばやくうごかすか、マウスをゆらしてみるとカーソルが大きくなってすぐに見つかります。



▼ 注1:El Capitan 対応機種
iMac(Mid 2007以降)
MacBook(Late 2008アルミニウム製、またはEarly 2009以降)
MacBook Pro(Mid/Late 2007以降)
MacBook Air(Late 2008以降)
Mac mini(Early 2009以降)
Mac Pro(Early 2008以降)
Xserver(Early 2009)

▼ 注2
OS をインストールする前に Mac のメンテナンスもしておきます。
Mac のメンテナンスをする - Mac OS X El Capitan -


Sponsored Link


IMG_3170
 アップルストア銀座のイベント


iPhone のカメラをつかうとシャッターチャンスをのがすことなくその時その場を撮影できます。

アップルストア銀座のイベント「iPhoneのカメラ機能が切り拓く可能性」(2015年10月31日)に参加しました。

このイベントでは、映像作家の岩元康訓さんと水中カメラマンの石川肇さんによるトークショーの形で、iPhone をつかって両氏が実際に撮影した作品を見ながら iPhone のカメラとしての魅力と可能性をさぐりました。

iPhone の最大の特色はチャンスにつよいことです。従来の撮影では重装備が必要でした。また特殊な機材がいりました。それに対して iPhone による撮影は軽装備なのでどこにでももっていけます。せまいところにもはいっていけます。カヌーにとりつけて撮影することもできます。


会場で紹介された映像は本当にうつくしかったです。プロがつかえるレベルまで iPhone のカメラの性能が向上していることがよくわかりました。iPhone は写真や映像のもつ可能性をどんどんひろげています。コンパクトデジタルカメラはもはやいらないのではないでしょうか。

わたしは一眼レフもつかっていますが、撮りたいときにポケットからサッととりだしてその時その場ですぐに撮影できる iPhone は手放せません。iPhone があればシャッターチャンスを逸しないですみます。

ただしイベントでも紹介されていましたが撮影の幅をひろげるためにはフォトレンズ(補助レンズ)もつかったほうがよいです。


こちらのレンズは、ワイドレンズ、魚眼レンズ、マクロレンズ(接写用レンズ)です。



こちらのレンズはウルトラワイドレンズ(超広角:画角約155°)と望遠レンズ(iPhone のほぼ2倍)です。

レンズにはいろいろな種類があるので用途に応じてつかいわけるとよいでしょう。

上記のどちらのレンズも、バックカメラおよびフロントカメラの両方で使用できます。同梱のレンズホルダーをつかえばもちはこびも便利です。

ただし iPhone ケースやカバーをつけたままだとレンズを装着できず、また保護フィルムと干渉する場合がありますので注意してください。



Sponsored Link


IMG_0472 (1)
シドニー王立植物園


ステレオ写真をつかって立体視の訓練をくりかえしていると観察力をつよめることができます。

下のステレオ写真はいずれも交差法(注1)で立体視ができます。オーストラリアのシドニー王立植物園(Royal Botanic Gardens, Sydney)で撮影しました。是非トライしてみてください。


IMG_0458_59
Golden Wattle (Acacia pycnantha) (注1)



IMG_0359_58
Acalypha wilkesiana (Fijian Fire Plant, Beefsteak Plant)



IMG_0420_19
Rose 'Cathedral City' (Rosa)



IMG_0491_90
Dragon's-blood Tree (Dracaena draco)



IMG_0485_84
Dragon's-blood Tree (Dracaena draco)



IMG_0549b_48b
Rhododendron lyi



IMG_0568_67
Camellia chekiangoleosa



IMG_0601_00
Hemerocallis



IMG_0608_07
Bougainvillea



IMG_0644_43
Bromeliads



公園突端のミセス・マックォーリーズ・ポイントにいくと、シドニー・オペラハウスとハーバーブリッジをファーム湾のむこうに一度にのぞむことができます(下の写真)。ここは、19世紀初頭の総督婦人ミセス=マックォーリーお気に入りの場所であり、彼女のために岩でつくったミセス・マックォーリーズ・チェアが今でものこっています。

IMG_0478



▼ 注1:交差法(クロス法)をつかった立体視のやり方は下記サイトをご覧ください。

▼ 注2
Golden Wattle (Acacia pycnantha) はオーストラリアの国花。

▼ シドニー王立植物園
The Royal Botanic Gardens & Domain Trust - Sydney

▼ ミセス・マックォーリーズ・チェアの位置


▼ 関連記事
立体視をして画像処理能力をきたえる - シドニー王立植物園(1)-
立体視をして視覚的知能を活性化させる - シドニー王立植物園(2)-
立体視をして観察力をつよめる - シドニー王立植物園(3)-
立体視をして集中力をつよめる - シドニー王立植物園(4)-


Sponsored Link


「自然・人類・文明」という非常に大きな課題にとりくむ場合、人類進化のモデルからアプローチするというのが一つの方法です。

151027 人類-文明-自然環境
図1 一つの自然の体系があった。

人類が発生する以前には一つの自然の体系(システム)がありました(図1)。人類の祖先であるサルは自然の体系の中で自然の一部として生きていました。
 


151027 人類-文明-自然環境2
図2 直立二足歩行により人類が発生した。

そしてサルの中から直立二足歩行をするものが出現しました。これが人類の発生です。人類は、自然環境から恩恵をうけつつも自然環境をうまく利用して生活していきました。人類と自然環境とのあいだには相互作用がありました(図2)。

そしてその後しばらくして言語が発生しました。人類はまた道具をつくりだしました。そして農業をはじめました。
 


151027 人類-文明-自然環境3
 図3 文明が発生した。

こうして、人類と自然環境との相互作用のなかから文明が発生してきました。

人類は、自然環境から恩恵をうけつつも自然環境にはたらきかけ、自然環境を大きく改変する存在になりました。自然環境から人類へは物質・エネルギー・情報がはいってきます(インプット)。一方、自然環境へむかって
人類は運動し活動し不要物質を放出し、自然環境を圧迫します(アウトプット)。人類と自然環境とは文明を介在にして相互浸透的な関係にあります。

非常に単純化してしまえば人類に関わる進化をこのように整理することができ、上記のような模式図(モデル)であらわすことができます。このようなモデルは、「自然・人類・文明」といった大きなテーマを意識のなかにとりこむことを可能にし、情報処理と問題解決をすすめるときの参考になります。 


▼ 参考文献
F.A.ハイエク・今西錦司著『自然・人類・文明』(NHKブックス)NHK出版、2014年11月25日
▼ 関連記事
自然をシステムとしてとらえる - F.A.ハイエク・今西錦司著『自然・人類・文明』(1)-
進化論的に人類をとらえなおす - F.A.ハイエク・今西錦司著『自然・人類・文明』(2)-
人類進化のモデルをつかって自然・人類・文明について理解をすすめる


Sponsored Link
Kindle ストア : Kindle 本「ポイント還元セール」実施中!
約35,000冊以上が対象に!
Amazon の Kindle ストアで
「20%以上ポイント還元セール」が開催されています。
ほしい Kindle 本がいっぱい見つかる!
お早めにチェックを!


直立二足歩行と言語の発生に注目すると進化論的に人類をとらえなおすことができます。

F.A.ハイエク・今西錦司著『自然・人類・文明』(NHK出版)の第 II 章では、人類が、自然あるいは動物からどのように分かれて変わってきたのかという問題を論じています。

最初に直立二足歩行ありきで、それにくらべると言語はひじょうにおそくならんと出てこないんです。(今西錦司)

人類の祖先と類人猿の祖先とを区別する決め手は直立二足歩行があるかどうかです。直立二足歩行が根源的にあって、これにより大脳が発達し手も器用になりました。

そして言語が発生しました。直立二足歩行が人類のなかの一個人から発生してひろがったのではないのとおなじように、言語も、どこに住んでいる人類にも人類進化のある時期に自然発生したのです。これは言語学者などがとなえる、一カ所で言語は発生して、それが伝播によって世界中にひろがったという単源説あるいは単系説とはちがいます。

言語だけはほかの動物には絶対にみとめられない現象です。逆にいうと言語をえてからはじめて人間が人間らしいもののかんがえ方をするようになったのであって、言語がない時代には合理的なもののかんがえ方はできませんでした。

言語が発生する以前はその場の状況を直観で判断していました。しかし言語の発生によってロジックをはじめてコントロールするようになりました。そして文明が生じてきました。


進化の一番の証拠になるのは化石です。これ以外に進化を直接証明するものはありません。化石を年代順に並べてみると順繰りにある方向にむかって変わっていることがわかります。

およそ30万年から70万年くらい前にピテカントロプス・エレクタスとよばれるものが生きていました。これは、ホモ・エレクタスと今ではよばれるようになっていて、我々ホモ・サピエンスの直系の先祖であることが人類学者のあいだでみとめられています。エレクタスは絶滅しないでサピエンスになったのです。

化石を証拠にしているかぎりは、猿人から今日のホモ・サピエンスまである方向にむかって順次かわっています。自然淘汰ではなくて変わるべくして変わってきています。西洋人は進化を因果的に説明しようとしますが、進化というものにはある程度まで種自身の自己運動があらわれているのです。


このように人類を理解するためには直立二足歩行と言語に注目することが重要です。進化論的にみるとつぎのような順序・段階がみとめられます。
  1. 四足歩行で生きていた。(直観で判断していた。)
  2. 直立二足歩行をはじめた。(直観で判断していた。)
  3. 言語が発生した。(論理をつかいはじめた。)
  4. 文明が発生した。
Sponsored Link



自然をシステムとしてとらえると自然の構成と進化が理解できます。

F.A.ハイエク・今西錦司著『自然・人類・文明』(NHK出版)は、「自然・人類・文明」という壮大なテーマについて西洋の視点と東洋の視点から対論の形式で論じています。

目 次
I 自然
II 人類
III 文明
附論1 人間的価値の三つの起源
附論2 進化と突然変異
附論3 経済発展と日本文化

この世界というものは秩序のある世界である。(今西錦司)

地球上のすべての生物に社会をみとめることができます。生物的自然というのはそうした社会のつみかさなりであり、全体でひとつの「生物全体社会」、一つのまとまりのある構築物をつくっています。いいかえるならば生物的自然は一つのシステムであるということです。

この生物的自然は個体と種とから構成され、これら二つはいずれも実在して世界の構造に参加しています。

西洋人は、種の起源や進化をかんがえるときに、個体がもとになってそれから種というものができていくという見方をしますが、実際にはそうではなくて個体と種とは最初から同時に成立していて、どちらが先でもどちらが後でもありません。個体と種とは二にして一のものです。

また西洋人は、生存競争と適者生存つまり自然淘汰によって新種ができるとかんがえますが、種と種(種の社会と種の社会)とはおたがいに棲み分けていて、ほかのものの縄張りをおかしません。生物の進化は自然淘汰によっておこるのではなくて、進化とは変わるべくして変わるものであり、ひとつの歴史であるととらえることができます。進化は要因論で割りきれるものではありません。

本書は、1978年に京都でおこなわれた対論を収録したものです。西洋人のかんがえ方と比較しながら今西錦司あるいは東洋のかんがえ方を理解できる好著です。

今西錦司は「自然の進化は遺伝子や遺伝学だけで解けるようなものではない」と主張し、生物の行動をもっと追跡しろと指導しています。つまりフィールドワークをするようにということです。


▼ 引用文献
F.A.ハイエク・今西錦司著『自然・人類・文明』(NHKブックス)NHK出版、2014年11月25日
自然・人類・文明 (NHKブックス No.1224)

▼ 関連記事
自然をシステムとしてとらえる - F.A.ハイエク・今西錦司著『自然・人類・文明』(1)-
進化論的に人類をとらえなおす - F.A.ハイエク・今西錦司著『自然・人類・文明』(2)-
人類進化のモデルをつかって自然・人類・文明について理解をすすめる


Sponsored Link


世界地図帳をつかうことによって、世界を概観したり地球を大観することが容易になります。

『世界の地図の歴史図鑑』(柊風舎)で解説している『世界の舞台』と『アトラス』の出版は地図の歴史における非常に大きな転換点となりました。わたしたち人類のグローバルな認識は『世界の舞台』と『アトラス』からはじまったといってよいでしょう。

ルネサンス時代の地図製作で注目すべき業績の1つは、世界地図帳であった。表紙をめくると世界が広がり、概観されていた。(122ページ)

1570年、アブラハム=オルテリウスは『世界の舞台』を出版しました。これは1冊の本のなかに世界を網羅した世界最初の世界地図帳であり、地球を容易に概観できる内容でした。

オルテリウスは地図の画家であり、水彩絵の具をつかって彩色をした地図をえがいていました。最初は、羊皮紙の巻物にえがいていたので、数点の地図を見くらべたいときには巻物をひらいて文鎮でおさえなければならずとても不便でした。そこで巻いたり ひらいたりといった問題を解消するために多数の地図を1冊の本に集大成しました。

この地図帳は大成功をおさめ、1724年までに89版以上、7300冊ほどが印刷され、地図の歴史における革命となりました。今でも2000冊が現存しています。


IMG_4020


一方1595年になると、メルカトルの『アトラス』が出版されました。

1569年、ゲラルドゥス=メルカトルは、あたらしい投影図法(今日メルカトル図法として知られている)をつかって世界図をつくりだしました。

メルカトルは1594年に死去しましたが、息子のルモルドが、彼の地図すべてを1巻にまとめて『アトラス』として出版しました。

『アトラス』は、オルテリウスの『世界の舞台』のような仰々しい美的装飾はほとんどなく、事実に即した地理的データを展示したような内容になっていました。この本も非常に大きな反響があり、数多くの版をかさねました。17世紀のオランダ人の「大アトラス」のひな型にもなりました。「アトラス」という書名は地図帳一般をさすようになったのでした。そして今日にいたるまで「アトラス」は、より正確により精密な地図帳へと発展していくことになります。


現代のわたしたちは、世界あるいは地球の全体象を容易にみることができます。そして今日、グローバル化はいちじるしくすすみ、どのような分野においてもグローバルな情勢をとらえることなしに問題を解決することはできなくなっています。グローバルな認識は問題を解決するための第1段階として必要です。

グローバルに課題をとらえるにはどうすればよいか。いかに地球を大観すればよいか。そのようなときに地図がとても役立ちます。


▼ 引用文献
ジョン=レニー=ショート著『世界の地図の歴史図鑑 岩に刻まれた地図からデジタルマップまで』柊風舎、2010年11月15日
ビジュアル版 世界の地図の歴史図鑑―岩に刻まれた地図からデジタルマップまで


Sponsored Link


古今東西の地図の歴史をみると、空間あるいは地球の認識をどのように人類が拡大してきたかがわかります。

ジョン=レニー=ショート著『世界の地図の歴史図鑑 - 岩に刻まれた地図からデジタルマップまで』(柊風舎)は、先史時代の岩に刻まれた最古の地図から今日のデジタルマップまで古今東西の地図をあつめた地図の図鑑です。

地図は、文字の発明以前から人間社会にかかせない情報の伝達や記録の手段でした。アボリジニの砂絵、イスラーム世界の天文学的な地図、中世ヨーロッパの絵画のように美しい地図、戦争中の征服地図や戦略図、そして今日のデジタル地図にいたるまで、時代をうつしだすさまざまな地図を多数の図版とともにわかりやすく解説しています。

目 次
第1部 序
 1 地図のはじまり
 2 最古の地図

第2部 古代
 3 古代世界
 4 古典時代の地図

第3部 中世
 5 中世ヨーロッパの地図
 6 イスラームの地図
 7 中国と極東

第4部 探検時代のはじまり
 8 新世界における地図学の伝統
 9 新世界の地図
 10 ヨーロッパのルネサンス時代の地図
 11 国家の地図
 12 地図帳の作製者たち

第5部 植民地時代の地図製作
 13 大英帝国の地図製作
 14 地図作製をを鼓舞する啓蒙運動
 15 新国家の地図化
 16 地図学との出会い
 17 万国共通の地図化

第6部 現代世界の地図化
 18 主題図
 19 地図と権力
 20 現代社会の地図学


IMG_4019



最古の地図は岩にきざんだ地図でした。

実用のための地図づくりは、農業革命を人類がおこしたころからはじまりました。それは文明のはじまりでもありました。地図は、農地や灌漑システムの管理のために重要な道具であり、土地を統制することに役立ちました。

やがて帝国が台頭してくるとともに測量技術が発達し、帝国を管理するために地図は不可欠なものとなりました。

大航海時代になると、新大陸の探検と発見においても地図は重要な役割を演じました。地球上の空白地域を調査し記載するための道具として地図が必要でした。

ヨーロッパ人が海外の領土を占領するための不可欠な要素と地図はなりました。ヨーロッパ人に新世界は従属させられ、新世界の地図ができました。あたらしい帝国は支配する領土の地図をえがき、権利を主張しました。

そして世界地図ができあがりました。

そのご世界地図は精密化がすすみ、また地図の世界でも専門分化がおこってきて、現代では、さまざまな主題図がつくられるようになりました。地質図・気候図・天気図・路線図、そのた多数の主題図が作製されています。

今日は、人工衛星による観測によるマッピング、コンピューター・マッピング、地理情報システムの時代になり、地図の歴史もまったくあたらしい段階にはいりました。


本書の特色は、古今東西の地図を大量にあつめて図鑑にしたところにあります。それぞれの言語による解説は若干わかりにくい面もありますが、さまざまな地図をたくさん見ることに大きな意義があります。

私たち人類は地図をつくりながら世界あるいは地球の認識を拡大し、意識の空間(広がり)を大きくしてきました。本書でその歴史をふりかえってみると、わたしたちは今日、グローバル化・高度情報化への歴史的な大転換期に生きていることがよくわかります。


▼ 引用文献
ジョン=レニー=ショート著『世界の地図の歴史図鑑 岩に刻まれた地図からデジタルマップまで』柊風舎、2010年11月15日
ビジュアル版 世界の地図の歴史図鑑―岩に刻まれた地図からデジタルマップまで


Sponsored Link


日本地質学会・構造地質部会編『日本の地質構造100選』(朝倉書店)は、日本国内の重要な露頭(岩石や地層が地表に露出している部分)のカラー写真集です。くわしい解説と正確な地図もでているので調査旅行ガイドとして有用です。

目 次
第1章 断層
第2章 活断層
第3章 断層岩
第4章 褶曲
第5章 小構造
第6章 メランジュなど

IMG_4018


地質構造は、きわめてゆっくりした大地の運動により数百万年から数千年かけて岩石が変形して形成されます。本書をみていると悠久の時のながれを感じることができます。

地学ファンや理科教師とくに地質学に興味のある人にとっては必見の書です。

本書の写真をみて興味のある露頭をみつけたら、そこに実際に行ってみるとよいでしょう。露頭の場所が地図上にしめされているので確実にたどりつけます。地学の旅をたのしむためのすぐれた案内書です。


▼ 引用文献
日本地質学会・構造地質部会編『日本の地質構造100選』朝倉書店、2012年5月20日
日本の地質構造100選



Sponsored Link



情報処理の仕組みを理解すれば、試験勉強や受験勉強をしながらでも情報処理能力を高めることができます。

そもそも試験勉強をするとはどういうことか、情報処理の観点からとらえなおすとどのようになるでしょうか。

勉強の最初の場面はつぎのようなことです。
  • 教科書を読む
  • 図表や写真を見る
  • 教師の説明を聞く、など
これは、自分の意識の内面への情報のインプットにあたります。

つぎにインプットした情報を理解し記憶しなければなりません。記憶とは意識(心)のなかで情報を保持することです。これはプロセシングです。

そしてアウトプットは筆記試験(ペーパーテスト)で解答を書きだすことでおこなっています。資格試験などを受験するときもおなじです。

これが一般的な試験勉強の実態です(図)。

151031 勉強
図 勉強も情報処理になっている



筆記試験の会場では教科書やノートを見ることはできません。何も見ないで解答しなければなりません。つまり自分の心のなかに保持された情報をおもいだして書きださなければなりません。この、何も見ないで想起してアウトプットするという過程が非常に重要な訓練になっています。

筆記試験で高得点をとるためには練習問題をあらかじめやっておいたり、模擬試験をうけたりすることがよいことはひろく知られており、それは、ぶっつけ本番で想起してアウトプットするよりも事前に訓練をしておいた方がよいからです。

このように筆記試験はアウトプットの本番であるととらえなおすと、アウトプットの練習は常日頃からやっておいたほうがよいとうことになり、それは情報処理能力を高める訓練にほかなりません。

たとえば黒板やホワイトボードに何かの説明を先生が書いたら、目を一旦とじて、それをイメージとして想起する練習をしてみます。デジタルカメラで黒板をうつしとるように記憶して、そして想起し、書きだす訓練を日頃からしておきます。

このような情報処理の仕組みと方法がわかれば試験勉強や受験勉強も情報処理能力の向上ために活用することができ、その能力はあらゆる分野でそのご応用していくことが可能になります。


Sponsored Link


旅行会社のサイトへのリンクをまとめてはっておきます。ブログやホームページに役立つリンクを課題別にまとめてはっておくと便利です。


 


時間に余裕があれば数社のサイトを比較検討するとよいです。「えっ、こんなに安いの?」というような掘り出し物がかならず見つかります。

たとえばアップルワールドよりもエクスペディアの方が一般には低価格だとかんがえられていますが、そうとはかぎりません。アップルワールドで非常によい商品が見つかることもあります。あるいは最低価格補償制度があればそれを利用する手もあります。他社との差額を振り込んでくれます。


▼ 追記
世界的なオンライン旅行会社は次の2つです。ともに米国に本拠地があります。
・エクスペディア(Expedia)
 (Hotels.com、トリバゴ(注1) などをグループ企業としてふくみます)
・ブッキング・ホールディングス(Booking Holdings Inc.)
 (旧プライスライングループ, The Priceline Group)
 (Booking.com(注2)  や Agoda.com  などをグループ企業としてふくみます)

▼ 注1
トリバゴはエクスペディアのグループ企業ですが、エクスペディア系列以外のホテル予約サイトも比較対象にふくめています。

▼ 注2 
Booking.com  はほかのオンライン旅行会社とはちがい、各宿泊ホテルで決済をする現地支払い方式です。


生命は、自分の体の内と外とのあいだで物質やエネルギーなどのやりとりをしながら生きています。

『やさしくわかる生命の科学』(Newton別冊/ニュートンプレス)は「生命とは何か?」という大きなな課題に現代の科学者がどのようにいどみ、何をかんがえているかをわかりやすく解説しています。過去の『Newton』誌上に掲載された記事をまとめたものです。

生命は、多くの謎に今なおつつまれています。生命についてはわからないことがまだたくさんあります。生命と非生命の境界についてさえも科学者のあいだで見解がわかれています。

目 次
プロローグ 生命をめぐる疑問
1 生命の共通点
2 ウィルス
3 生命の誕生
4 生物の進化
5 “生きている”とは何か
6 生命の最先端研究
7 地球外生命
エピローグ 研究者が語る“生命とは何か”


地球上の生物はつぎの3つのグループ(ドメイン)にわけられます。これらは共通の祖先から分化しました。
 
(1)細菌
(2)古細菌
(3)真核生物
   ・原生生物(ゾウリムシやアメーバなどの単細胞生物)
   ・菌類(カビやキノコの仲間)
   ・植物
   ・動物


これらの生物に共通する特徴としては以下のことがあります。
  • 刺激に応答する。
  • 外から栄養をとる。
  • 内と外との区別がある。
  • 自分と同じ姿をしたものがふえる。

周囲の刺激に応答しながら生きていることはすべての生物に共通する特徴です。またすべての生物は生きるために外から栄養をとりいれ、エネルギーを体内でつくったり体を構成する材料にしています。このような体内における一連の化学反応のことを「代謝」とよびます。そして、不要な物質は外に排出しています。

このような生物のすべては細胞を基本単位としてできています。生物の体内では細胞の誕生と死がたえずおきていて、細胞の誕生と死のバランスによって生命体は維持されています(注1)。

地球上における最初の生命の誕生に関しては、「生命は RNA からはじまった?」と「生命はタンパク質かがらはじまった?」という仮説が紹介されています。「RNA」(リボザイム)は化学反応を促進する装置としてはたらくものです。

また進化とは、分子レベルでみれば、生命の設計図であるゲノムが世代をへるにつれて書きかえられていくことです。

生命は、外部とのあいだにエネルギーや物質のやりとりをもっているので、その秩序だった構造を維持することができています。逆にやりとりがない場合には、エントロピー増大の法則にしたがって時間とともに秩序だった構造は崩壊していくことになります。

以上の生命の特徴を模式的にあらわすと下図のようになります。

151031 生命
図 生命のモデル
 
 
生命がおこなっている内と外とのあいだのやりとりに注目することはとても大事なことです(注2)。本書は読み物としてもとてもおもしろいです。類書の『生命科学がわかる100のキーワード』(Newton別冊、注3)とあわせて読むと生命科学についての理解が一段とすすむでしょう。



▼ 引用文献
『やさしくわかる生命の科学』(Newton別冊)ニュートンプレス、2014年8月15日
やさしくわかる生命の科学―生命と非生命の境界,最初の生命,進化,生命創生など (ニュートンムック Newton別冊)

▼ 注1
あたらしい細胞をつくる方法は「細胞分裂」です。一方、細胞が死ぬしくみは「アポトーシス」(自死)と「ネクローシス」(事故死や病死)です。「ネクローシス」とは、やけどや酸素不足、病原体によるダメージによって細胞が死ぬことです。

▼ 注2
刺激・物質・エネルギーが生命の内部に外からはいってきます。刺激は情報といいかえてもよいです。生命の内部では情報の処理と代謝がおこります。そして生命は運動や行動、不要物質の排出をします。人類の場合は話したり書いたりもします。これは応答するということです。

このようなプロセスは、<インプット→プロセシング→アウトプット>といってもよいです。整理するとつぎのようになります。
 インプット:刺激・物質・エネルギーが生命の中にはいってくる。
 プロセシング:情報処理・代謝。
 アウトプット:運動・行動・排出する。

▼ 注3
田沼靖一(監修・執筆)『生命科学がわかる100のキーワード』(Newton別冊)、ニュートンプレス、2013年7月15日

▼ 関連記事
現代の生命科学を概観する -『生命科学がわかる100のキーワード』(Newton別冊)-
キーワードとイメージとをセットにして記憶する
すすみたい分野の100のキーワードをおぼえて前進する


IMG_0470
シドニー王立植物園


立体視の訓練をすることにより「視覚的知能」を活性化させることができます。

「視覚的知能」とは、「目にまつわる能力を高めて生ずる従来に十分に働いていなかった知能」のことです(注1)。立体視の訓練は、言語や聴覚を経由しないので視覚にかかわる領域だけを高度に活性化することができ、「視覚的知能」を活性化させると情報処理能力の全般をアップさせることができます

下のステレオ写真はいずれも平行法(注2)で立体視ができます。オーストラリアのシドニー王立植物園(Royal Botanic Gardens, Sydney)で撮影しました。むずかしい写真も若干ありますが是非トライしてみてください。



IMG_0211_12
Queen Palm (Syagrus romanzoffiana


IMG_0222_23
Bangalow Palm / Piccabeen Palm (Archontophoenix cunninghamiana)


IMG_0234_35
Dwarf Date Palm (Phoenix roebelenii)


IMG_0255_56
Begonia 'Dragon Wing'


IMG_0285_86
Begonia
 

IMG_0302_03
Begonia jairi


IMG_0309_10b
Begonia sanguinea


IMG_0315_16
Begonia sp. u054


IMG_0327_28
Aloe 'Saturn'


IMG_0341_42
Aloe 'Saturn'


シドニー王立植物園はファーム湾に面している一方で大きな池もあり、水の風景もうつくしいです。広大な空間のなかで草木と水と空がみごとに調和していて、都会の “オアシス”、市民のいこいの場になっています。



▼ 注1:引用文献
栗田昌裕著『 眼力を高めるパワード・アイ』健学社、2003年11月25日
眼力を高めるパワード・アイ 

▼ 注2:平行法(パラレル法)をつかった立体視のやり方は下記サイトをご覧ください。

▼ 関連記事
立体視をして画像処理能力をきたえる - シドニー王立植物園(1)-
立体視をして視覚的知能を活性化させる - シドニー王立植物園(2)-
立体視をして観察力をつよめる - シドニー王立植物園(3)-
立体視をして集中力をつよめる - シドニー王立植物園(4)-

▼ シドニー王立植物園
The Royal Botanic Gardens & Domain Trust - Sydney





Sponsored Link


IMG_2987
ハワイ・ビショップ博物館 (The Bernice Pauahi Bishop Museum)


ハワイ・ビショップ博物館は、ポリネシアとハワイを中心に太平洋地域の自然と文化について展示・解説している博物館です。モバイル音声ガイドをつかうとくわしく理解することができます。

この博物館は、200万点をこえるコレクションをもつハワイ最大の博物館であり、ハワイアン・ホールをまわれば、ポリネシア人がハワイを発見して移住してきたころからハワイ王朝までの歴史をたどることができます。またパシフィック・ホールでは太平洋諸島を含むオセアニア全体を展望することができます。サイエンス・アドベンチャーセンターでは溶岩(玄武岩)の溶融実験が見られます。

ハワイについてもっと知りたくなったら是非おとずれたい博物館です。


IMG_2994
ハワイアンホール


IMG_3006_07
Kaneikokala(平行法で立体視ができます)

人の顔のようにもみえますが、人工的に彫られたものではなく、自然のままの状態で神をあらわすものとされています。



この博物館では、モバイル・オーディオ・ガイド(音声ガイド)が利用でき、館内のフリーWi-Fiをつかって自分のスマートフォンでアクセスすれば各展示の解説を日本語できくことができます。あるいは日本語のテキストで解説をよむこともできます。

日本では大型博物館では、専用機器をつかった音声ガイドが普及しつつありますが、中小の博物館ではまだ普及していないのが現状です。ビショップ博物館のようなスマートフォンをつかったガイドであれば専用機器がいらず、コストパフォーマンスにすぐれるので、日本の博物館でも積極的に導入すべきだとおもいます。


IMG_2991
モバイル音声ガイドの案内板



▼ 平行法(パラレル法)をつかった立体視のやり方は下記サイトをご覧ください。


▼ ビショップ博物館
ハワイ ナビ
ビショップ博物館を楽しむ5つのポイント





Sponsored Link




『生命科学がわかる 100 のキーワード』(Newton別冊、注1)は、生命科学の 100 のキーワードについてイラストをつかってわかりやすく解説しています。

生命科学の分野に将来的にもしすすみたいとおもったら、これら 100 のキーワードとイラストをまずはおぼえてしまうのがよいでしょう。その分野の記憶量をふやすと「記憶の慣性の法則」(注2)がはたらいて、その分野の方向にむかって人生がおのずとひらけてきます。

今回は、「SRS記憶法」のなかの「埋込法」(Key Method, 注2)をつかってみます。具体的には、「数字イメージ」を本書の各イラストに埋め込んでいきます(配置していきます)。

「数字イメージ」を記憶する(その1) >>
「数字イメージ」を記憶する(その2) >>
数字イメージでは数字をイメージに変換してとらえます。たとえば「01=ワイン、02=鬼、03=王座・・・」のようにイメージ化しておぼえておきます。


生命科学のキーワードとイラストを「埋込法」でおぼえるにはたとえばつぎのようにイメージします。
 

01「DNA」
 二重らせんのところに「ワイン」を埋め込みます(配置します)。「ワイン」に、二重らせんがまきついているとイメージします。

02「核酸」
 塩基のイラストのところに「鬼」を埋め込みます。「鬼」が、塩基をつかんでいるとイメージします。

03「染色体」
 染色体のイラストのところに「王座」を埋め込みます。「王座」のうえに染色体がのっているとイメージします。

04「遺伝子」
 遺伝子のイラストのところに「ワシ」を埋め込みます。「ワシ」が、遺伝子をくわえているとイメージします。

05「ゲノム」
 アルファベットのところに「孫」を埋め込みます。「孫」が、アルファベットを書いているところをイメージします。

06 以降も工夫してイメージし、「数字イメージ」を 100 のイラストに埋め込んでいきます(配置していきます)。

このようにしておけば、「数字イメージ」がきっかけ(キー)になってイラスト全体をおもいだすことができます。「数字イメージ」を 01 から順番におもいおこすことにより、それにひっぱられて、それを埋め込んだイラスト(「数字イメージ」の周囲のイラスト)も想起できるという仕組みです。画像(イメージ)とキーワードをまずおぼえ、言語的な説明は、イメージにあとからつけくわえていけばよいでしょう


情報処理の観点からいうと記憶するとは情報を心のなかにファイルすることです。『生命科学がわかる 100 のキーワード』において 100 のキーワードを解説しているということは、100 のファイルがすでに用意されているということであり、これらのファイルを心のなかにインプットし保持していけばよく、それが記憶するということです。このときに、ファイルのアイコンとしてイメージが役立つわけです。

記憶法をすすめるひとつの理由は記憶量が多い分野にむかっておのずと人生が驀進していくというところにあります。記憶量が少ない分野にはすすめません。すくなくともその分野の職業にはつけません。本当に興味のある分野については記憶量を徹底的に増やす必要があります。記憶量をバカにすることはできません。

このことは、自分の進路に反対する人が自分のまわりにいるかどうかということにはまったく関係ありません。自分に反対する人がたとえいたとしても、やはり、自分の人生は記憶量の多い分野の方向にすすんでいきます。

親や教師に指示されたりして本来はのぞまない分野にすすんでそのままでいると、そのきらいな分野の記憶量が不本意ながら増えてしまい、いつまでたっても希望の方向にすすめません。

そのような場合には、本当にすきな分野の記憶量をすみやかに増やしていけばよいのです。誰かに言われたかどうかということではなくて自分の問題です。記憶量を増やすことぐらいは周囲には関係なく努力すれば誰にでもできることです。

このために、すきな分野の「100 のキーワード」が役立ちます。それぞれの分野においてよくできた教材が日本では結構発行されています。今回は「埋込法」(Key Method)をつかいましたがほかの方法でもかまいません。自分にあった方法をみつけだして、興味がある分野の記憶量を増やしていくのがよいでしょう。


▼ 注1:参考文献

田沼靖一(監修・執筆)『生命科学がわかる100のキーワード』(Newton別冊)、ニュートンプレス、2013年7月15日
生命科学がわかる100のキーワード―生命,病気,iPS細胞など,テーマ別でわかりやすい (ニュートンムック Newton別冊)


▼ 参考文献
栗田昌裕著『栗田博士の SRS 記憶法 ― 潜在能力をぐんぐんひきだす』ダイヤモンド社、1993年3月18日

目を閉じて、キーワードを意識しながらそのイラストを想起する訓練をくりかえすとたくさんのことが記憶できます。

『生命科学がわかる100のキーワード』(Newton別冊、注1)は、イラスト(イメージ)をつかって生命科学のキーワードを解説しています。1ページあるいは見開き2ページごとにコンパクトに説明が完結しているので視覚的に非常にわかりやすいです。

生命科学をよりふかくまなびたい人あるいは将来この分野にすすみたい人は、本書にでているキーワードとともにそのイラスト(イメージ)をおぼえてしまうのがよいです。

まず、それぞれのキーワードを意識しながらイラストをじっくり見ます。これは情報のインプットです。
 
つぎに、目を閉じて、いま見たイラストをイメージします。どこまで正確におもいうかべることができるでしょうか。これは想起訓練であり、情報を記憶するための訓練でもあります(注2)。ただ見ているだけだと記憶にはあまりのこりませんが、想起訓練をくりかえすと記憶にのこりやすくなります。想起の効果は想像以上です。おなじ時間をかけるのでしたら想起訓練を徹底的におこなった方がよいです。この目を閉じて想起する過程はプロセシングです。

そしてさらにふかく勉強したい場合は、想起したイラストの概略を紙に描いてみるとよいです。このときにも何も見ないで、自分の心のなかでイメージをおもいうかべながら描きだすようにします。つまりアウトプットするということです。実際に描きだしてみると、自分が理解・記憶できている部分とそうでない部分とが一目瞭然になります。

以上の情報処理(インプット→プロセシング→アウトプット)を模式図(モデル)であらわすと下図のようになります。

151028 描く
図 情報処理の訓練


プロセシングのときには目をとじてイメージし、アウトプットのときには何も見ないで描くというところがポイントです。見ながらおこなうと、プロセシングとアウトプットの訓練になりません。

生命科学にかぎらずどの分野でも、勉強したり記憶しようとおもったらイメージをつかうことが決定的なポイントになります。イメージをつかうと、言語をつかうようりもはるかに容易にいろいろなことが記憶ができます。イメージでまず理解・記憶して、言語的な理解・記憶をそれにつけくわえていくという順序で勉強するとよいでしょう。『○○の100』という教材はそのためにとても有用です。
 

▼ 注1:参考文献

田沼靖一(監修・執筆)『生命科学がわかる100のキーワード』(Newton別冊)、ニュートンプレス、2013年7月15日
生命科学がわかる100のキーワード―生命,病気,iPS細胞など,テーマ別でわかりやすい (ニュートンムック Newton別冊)


▼ 注2
記憶するとは、インプットされた情報を心(意識)のなかで保持することです。情報処理の3場面のなかではプロセシングのなかに位置づけられます。

▼ 関連記事
現代の生命科学を概観する -『生命科学がわかる100のキーワード』(Newton別冊)-
キーワードとイメージとをセットにして記憶する
すすみたい分野の100のキーワードをおぼえて前進する


↑このページのトップヘ